立ち会い出産で起きた“まさかの展開”とは
助産師さんから「小さなお子さんは医療従事者や普段と違うお母さんの姿に驚いて、雰囲気にのまれて泣いてしまうこともありますよ」と聞いていたので、少し不安もありました。
ところが、陣痛に苦しむ私のそばに来た3歳の息子が発したのは、「お母さん、グミ食べていい?」というひと言(※夫が子どもたちのために持参していたグミです)。痛みに耐えてそれどころではない私は、「いい!いいよ!」と返事。
すると、ふだんは「何個までだよ」「夜ごはんの前だからダメ!」などと言われているのに、この日は珍しくすんなり許可が出たのがうれしかったのか、「お母さん、グミもう1個食べていい?」と何度も聞いてくるようになりました。
「そんなのどうでもいい〜〜〜!!!」と叫びたい気持ちをこらえつつ、「出産が怖い思い出にならないように……」という思いと、少しでも気がまぎれる有り難さもあって、「い、いいよ……」と何度も返事をしました。
雰囲気に呑まれるどころか、まさかのマイペースぶり。なんて大物なんだ……と、後から家族みんなの笑い話に。「何かあったら“お母さん、グミ食べていい?”って言えば何とかなるんじゃない?」が、今ではわが家の定番ネタになっています。
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緊張する場面でも、子どもの何気ないひと言が場の空気をふっと和ませてくれることがありますよね。出産は大変な時間ですが、後になって家族の笑い話になるエピソードが生まれるのも、家族みんなで迎えた出産ならではなのかもしれませんね。
著者:中野さくら/40代 女性・会社員。0歳、4歳、6歳を育てる育休中ワーママ。なんだかいつも多忙で、生き急ぎがち。
イラスト:あやこさん
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)