20時過ぎても帰宅しない夫
ある日、仕事中の夫から「仕事が早く終わりそうだから、18時には帰るよ」と連絡がありました。しかし、18時を過ぎたというのに、帰宅しないどころか連絡がありません。
普段はまめに連絡をくれる人なので、時計の針が進むにつれ、悪い想像ばかりが頭をよぎります。
「事故に巻き込まれたのではないか」「急に倒れているのではないか」
冷めていく夕飯を前に、部屋の静けさが怖くてたまりませんでした。メッセージを送っても既読になりません。電話も出ず、やがて20時になると不安で胸が押しつぶされそうに……。
震える手で実家の母に相談しようとした、その時でした。ふいにスマホが震えたのです。画面を見ると、夫から「今から帰る」の一言だけが届いていました。
帰宅後に問い詰めると、「スマホを自分のデスクに置いたまま、同僚との卓球大会に夢中になっていた」とのこと。事故どころか、職場で卓球をして盛り上がっていたなんて。無事だったことへの安堵が一瞬で消え去り、全身の力が抜けたような感覚でした。
この一件以来、わが家では「連絡が取れない時間をつくらない」という約束をしました。夫はスマホを置き忘れないよう職場用の肩かけポーチを用意し、必ず身につける習慣をつけてくれています。私自身も、連絡がないからといってすぐに最悪の事態を想像せず、まずは冷静に待つことの大切さを学びました。
あの時は生きた心地がしませんでしたが、何はともあれ、事故や病気ではなく元気だったことが一番です。「無事でいてくれるだけでありがたい」という、当たり前で大切なことを痛感した出来事でした。
著者：山上佳奈／30代女性／2人の子どもを持つ会社員ママ。趣味はおいしいコーヒーを飲むこと
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています（回答時期：2025年10月）
