なぜルーを入れて煮込むのがNGなの?【正しいカレーの作り方】

ルーを入れてから煮込むのがNGな理由は、以下の3つです。
・とろみがつき、火の通りが悪くなる
・くずれたり、焦げ付きやすくなったりする
・味がしみ込まない
カレーも“煮物の一員”なので、基本の考え方は煮物と同じ。
まずは下茹でして、やわらかくなってきたら、ルーを投入するという流れ。
「やわらかくなるまで、水だけで煮込めよ」とよく言われたものです(笑)。
そして、ルーを投入したら、なるべく煮込まないのが鉄則。
カレーの失敗で多いのが、
・焦げ
・具材の崩れ
・ボソボソ食感
これ、だいたい"ルー投入後に煮込みすぎたパターン"なんです。
しかも、煮込んだからといって味がしみるわけではなく……本当に味がしみるのは「冷ます時間」 なんですよね。
実際筆者が働いていたホテルでは、カレーは前日仕込み。
キンキンに冷えた水槽に鍋ごと入れて冷ますなんてことをしていました(もはやサウナ後の水風呂。これでカレーも整います)。
カレーは煮込むのではなく冷ます、と覚えておいてください。
冷凍するならキーマカレーがおすすめ
ちなみに、カレーを冷凍保存したい場合は、キーマカレーを作るのがおすすめです。
理由は、じゃがいもが入っていないから。
じゃがいもって、冷凍してしまうと食感が悪くなってしまうので、もともとじゃがいもが入っていないキーマカレーは冷凍向き。
今は「キーマカレー専用ルー」なんかもハウス食品から出ていますので、カレーを冷凍したい方はぜひ参考にしてみてください。
【プロ流"作り方のコツ"】カレーを作るときに意識すべきポイント

筆者がカレーを作る時に意識しているポイントは、次のとおり。
・具材の大きさは均一に
・油で具材をよく炒める
・水&調味料で煮る
・火を止めてルー投入
・ルーが溶けたら、軽く沸かす
・完全に冷ます
「え!?全部逆のことやってたんだが……!」っていう人。いないですよね?
ポイント①具材の大きさは均一に

カレーだけというわけではありませんが、いつも具材の大きさをなるべく揃えるようにして、切っています。
こういうところから差が生まれてくると個人的には思っています。
「食感の違いを出すためにあえて不揃いに」とか、やめてください。
ポイント②油で具材をよく炒める

続いて、意識しているのは「具材をよく炒める」ことです。
筆者の感覚的には、中まで火は通っていないけど「見た目だけなら完全に炒まっているな」と感じるくらいです。

そして、お肉は別のフライパンで焼きます。

お肉を別で焼くことで、お肉からのドリップや余計な油を取り除くことができるし、焼くのも簡単です。
ホテルでも当然この"別焼き方式"。
筆者は、このひと手間で、カレーがほんのちょっぴりおいしくなると信じております(笑)。
ポイント③水&調味料で煮る

野菜と肉を合わせたら、いきなり調味料を入れて煮るのではなく、最初は水だけで煮ます。
灰汁をとりながら……。

じっくり煮ると。
なぜ最初は調味料を入れないかというと、具材に火が通りにくくなってしまうからです。
調理時間短縮のために、最初は水だけで煮ることを意識します。

そして、確実に煮えてきたなと確信したら……。

調味料を入れます。
どうでしょう?
写真からでもクタクタ加減がわかるのではないでしょうか。
これくらい筆者はいつも煮ています。
ちなみに筆者は「チキンコンソメ」が大好きなので、ここでチキンコンソメを投入して、さらに10分くらいコトコト煮ます。
ポイント④火を止めてルー投入

最後に火を止めて、ルーを入れます。

火を止めることで、分離しづらくなります。
ポイント⑤ルーが溶けたら、軽く沸かす

あとは、沸かして1分ほど煮たら、火を止めます。
ポイント⑥完全に冷ます

冷ますと本当においしくなるので、時間がある人はぜひ。
待てなければ……そのまま食べましょう(笑)。

温め直したら完成!
この作り方であなたのカレーは"煮込まなくてもお店レベル"!?

どうですか?
ルーを入れてからほとんど煮込んでいませんが、普通のカレーになっていますよね。

とろみもいい感じ!

食べてみると、コクがあっておいしい。
そして、お肉もホロホロです。
妻も「超うまい……」と、なぜか一口目で"悟りの顔"をしていました(笑)。
結論:ルーは最後の"仕上げ"で入れるべし!【正しいカレーの作り方】

具材を炒めて、煮込んで、最後にルー。
少し沸かしたら、冷やす。
この順番だけで、家庭のカレーが驚くほど変わります。
「今日のカレーなんだかおいしいね」と言われる未来もすぐそこ。
明日からのカレー作り、ぜひ今回のポイントを意識して、試してみてくださいね。