産後にやってしまった誤爆事件
産後は喜びと興奮、そして凄まじい睡眠不足で、私の頭は常に霧がかかったような状態でした。入院中のベッドの上、鳴り止まないお祝いメッセージに、私はもうろうとしながら返信を続けていました。
そんな時、ふと疲れがピークに達しました。特に、毎日「何か手伝えることはない?」「明日も赤ちゃんに会いに行っていい?」と連絡をくれる義姉の熱意に、ありがたさを通り越して少しだけ重さを感じていたのです。
私は夫に甘えたくなり、愚痴混じりの本音を打ち込ました。
「義姉さん、ちょっと張り切りすぎててしんどいかも……」
しかし、送信ボタンを押した直後、私の指先は凍りつきました。送信先は夫ではなく、まさかの義姉本人。
頭から血の気が引き、パニックになりながらも、「すみません! 夫に送るつもりが間違えました!」と即座に謝罪を送りましたが、無情にもつく「既読」の二文字。今思えば謝罪のメッセージを送信する時点では既読になっていなかったので、すぐに取り消せばよかったのですが、パニックになっていた私は判断を誤りました。
そこから数時間、返信はありません。 「一生許してもらえないかもしれない」「今後の親戚付き合いはどうなるんだろう」 赤ちゃんの寝顔を横目に、私は後悔しながら不安なまま最悪の朝を迎えました。
義姉からの返信と再会
翌日、ようやく届いた義姉からの返信は、意外なほど穏やかなものでした。 「大変なときに気を遣わせてごめんね。産後はいろいろ敏感になる時期だし、気になることがあれば何でも言って。無理しないでね」
そのやさしさに救われると同時に、自分の未熟さが情けなくて涙がこぼれました。
退院後、お祝いに来てくれた義姉に改めて直接謝罪すると、彼女は「私も一人目のときは余裕なかったから、お互いさまだよ!」とカラッと笑って受け流してくれました。その器の大きさに、ただただ感謝するばかりでした。
また、この誤爆がきっかけで、義姉に「しんどい時はしんどいと言っても大丈夫なんだ」と少し甘えられるようにもなりました。とはいえ、二度とあんなスリルは味わいたくないので、今は送信ボタンを押す前に、深呼吸して宛先を2回見直す毎日です。
著者:岡本由依/30代女性/パート勤務中の2児の母。愛猫と遊ぶことが私の癒し
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年11月)