夫の浮気を勘ぐるようになったワケ












「母親の方が向いてるだろ」と育児を丸投げする夫・リュウ。妻・マミにとって過酷なワンオペ育児でしたが、1歳になる息子・ヨウスケのかわいさにはメロメロ。息子に癒されつつ、幸せな日々を送っていました。
しかしある日、夫の浮気を疑う事件が起きます。飲み会後、なかなか帰宅しない夫を不審に思いカーテンを開けると、停車中の車内で女と抱き合う夫の姿が。暗くて顔までは見えませんでしたが、女の肩には鮮やかな「赤いスカーフ」が羽織られていました。このときから、マミの胸には消えない疑念が刻まれます。
翌週、夫は「同僚宅で飲むから泊まる」と言い出します。浮気が事実なら離婚一択ですが、まだ証拠はありません。
「じゃあ車で送ろうか?」
あえて泳がせる提案をすると、夫は「いいの!? ありがとう!」と満面の笑み。その様子に「私の勘違いだったのか」と拍子抜けしながら、指定のアパートへ夫を送り届けました。
しかし、安堵したのもつかの間でした。
「こんばんは〜」
アパートから女が現れ、車に駆け寄ってきます。その肩には、あの夜の暗闇の中で見たものと同じ、赤いスカーフが羽織られていました。夫を笑顔で出迎えたのは、やはりあのときの女だったのです。
◇ ◇ ◇
確信は持てないけれど、どうしても拭いきれない疑い。マミさんが「送っていく」と決めたのは、そんな自分を納得させるための勇気だったのかもしれません。けれども、そこで見えてきたのは、1人で育児に奮闘する妻を置き去りにしたような、夫の不自然な振る舞いでした。
本当は何も見つけたくない、でも確かめずにはいられない……。夫を信じたかったマミさんの気持ちを考えると胸が痛みます。ただ、真実を知ることは時に大きな苦痛を伴いますが、それは正体不明の不安から抜け出すことでもあるはずです。
みなさんは、日常の中でふと感じる「直感」を大切にしていますか?