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つわり中の食の好みは赤ちゃんの影響?子どもの大好物との関係は…?【ママの体験から噂を検証!】

「○○しか口にできなかった」「いつもは食べない○○を無性に食べたくなった」——妊娠中、特につわりの時期に起きる食の好みの変化は、多くのママにとって強く印象に残る体験のひとつです。

こうした体験から、ママたちの間ではある噂が語り継がれてきました。それは「つわり中に無性に欲した食べ物は、生まれた後の赤ちゃんの好物になる」というもの。さらに一歩踏み込んで「その食べ物を欲するのは、ママ自身の意思ではなく、おなかの赤ちゃんの好みが影響しているのではないか」と考える人もいます。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師天神尚子 先生
産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長

日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
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そこで「つわり中にママが欲した食べ物」と「赤ちゃんの好み」に関連があるのかを探るため、174人のママを対象にアンケート調査を実施しました。果たして、この噂は本当なのでしょうか。それとも、思い込みに過ぎないのでしょうか。調査結果とともに、その真相に迫ります。

 

76%のママが「つわり中〇〇が無性に食べたい!」を経験

グラフ

 

つわりといえば、吐き気や食欲不振といった症状がよく知られていますが、現れ方には個人差があります。食事がとりづらくなる人もいれば、特定の食べ物であれば口にできたり、反対に食欲が増す人もいます。こうしたつわりの症状は、実際に口にできる食べ物や、好んで食べたいと感じるものに大きな影響を与えることがあるのです。

 

今回のアンケートで「つわり中に無性に欲した食べ物があったか」を尋ねたところ、「あった」と回答したママは全体の76%にのぼりました。妊娠中の多くのママが、食の好みに何らかの変化を感じていたことがわかります。

 

この結果から、つわり中の食の偏りは決して珍しいものではなく、多くのママが共通して経験していることが明らかになりました。では、この時期に強く欲した食べ物は、生まれた後の赤ちゃんの好みと関係しているのでしょうか。

39%のママが「つわり中にママが欲した食べ物」=「生まれた後の赤ちゃんの好み」と回答

グラフ

 

次に、「つわり中に無性に欲した食べ物があった」と回答した132名を対象に「つわりの最中に無性に欲した食べ物は、生まれた後の赤ちゃんの好物になったか?」アンケートを実施しました。

 

その結果、最も多かった回答は「どちらとも言えない」で、全体の53%を占めました。次いで、「結構好き」が26%、「大好物レベルで好き」が13%、「あまり好きではない」「苦手・食べない」はそれぞれ4%にとどまっています。


「どちらとも言えない」という回答が半数を超えた背景には、赤ちゃんがまだ小さく、食の好みがはっきりと見えていないケースが多く含まれていると考えられます。離乳食初期で食材の種類が限られていることや、好き嫌いを判断できるほど食経験が十分に積み重なっていないことも、その理由のひとつでしょう。

 

一方で、「大好物レベルで好き」と「結構好き」を合算すると、全体の39%にのぼります。つわりの最中に無性に欲した食べ物が、実際に赤ちゃんの好物になっていると感じているママが、約4割いるということになります。

 

この数字を見ると、「妊娠中にママが欲した食べ物は、赤ちゃんの好物になる」という噂は、完全な思い込みとは言い切れない一面もあるように思えます。
 

 

 医師の見解は?

このような結果を専門家はどのように捉えているのでしょうか。三鷹レディースクリニック院長 天神尚子先生にお伺いしました

 


「つわりの最中に無性に欲した食べ物が、生まれた後の赤ちゃんの好物になる」という噂について、医学的な観点から整理すると、現時点で明確な因果関係を示す根拠はありません。

 

一方で、海外の研究では、胎児期や授乳期に母親の食事由来の風味に触れることで、その味や香りに対する「慣れ」や「受け入れやすさ」が生じる可能性が示唆されています。妊娠中や授乳中の食体験が、赤ちゃんの味覚の形成に何らかの影響を与える可能性は否定できないと考えられているのです。

 

ただし、これらはあくまで「好みに影響を及ぼす可能性」を示したものであり、「妊娠中に欲した食べ物が必ず好物になる」と断定できるほど明確な法則ではありません。そのため、この噂は迷信として切り捨てるには単純すぎる一方、科学的に裏づけられた事実として受け止めるには慎重さが求められる、というのが現時点での見解と言えるでしょう。

 

つわり中の食体験は、妊娠期の中でも特に印象に残りやすい出来事です。「これしか食べられなかった」「毎日のように同じものを食べていた」といった体験は強く記憶に残りやすく、出産後、わが子が同じ食べ物を口にする姿を見ることで、妊娠中の記憶と自然に結びつけて捉えられることもあります。

 

こうした印象的な体験の重なりが、この噂が語り継がれてきた背景にあるのかもしれません。


 

妊娠中は、赤ちゃんの成長や発達について分からないことが多く、不安を感じやすい時期でもあります。そんな中で、「おなかの中にいるときから、赤ちゃんとつながっている」と感じられる噂は、ママにとって気持ちを前向きに保つきっかけのひとつだったのかもしれません。

 

こうした背景から、この噂は単なる迷信として消えることなく、体験談とともに語り継がれてきたと考えられます。科学的な正しさ以上に、妊娠中の体験を親子のストーリーとして受け止めるひとつの捉え方として、この噂は受け入れられてきたのでしょう。

 


■調査概要

調査タイトル:「噂の真相」に関するアンケート
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2025年12月2日(火)〜12月9日(火)
調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」「ベビーカレンダー全員プレゼント」のサービスを利用した方
調査条件:1人以上お子様がいらっしゃる方 174人

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