新しくできた会員制スーパーで
私が会員になったことを知った近所に住む義母が、「ついでにうちの食品も買ってきてもらえないかしら」と頼んでくるようになりました。それが3回ほど続き、会員制スーパーの安さと魅力に取り憑かれた義母。だんだん当然のように“ついで”を頼んでくるようになりました。
そしてある日のこと、何十個も商品が書かれた買い物リストを手渡されたのです。「こんなに!?」と内心驚いていた私に、義母は「安いんだから、全部で1万円もしないでしょ」と。
絶対に1万円では収まらないと思っていたのですが、頼まれてしまったからには仕方ないと、買い物リストを持って店に向かいました。頼まれていた点数も多く、目当てのものを探し出すのにもひと苦労。ようやくすべてをカートに入れ終え、レジに向かうとお会計は18,000円でした。
そして、義母の家に買い物した商品を届けに行くと……。
玄関を開けた義母は「どうもどうも〜」と言って、1万円を渡してきました。私が「18,000円でした」とレシートを出して伝えると、義母は「ほらね、1万円くらいだったじゃないの!」と言ったのです。そして、差額を支払ってくれず、笑顔で「またお願いね〜」とだけ言われて玄関を閉められてしまいました。
義母は「安い」「お得」と喜んでいましたが、それはそのはずです。私が8,000円分負担しているのだから……。その後、夫は出張が多く、私と息子だけの日も多いわが家では、会員制スーパーの商品は量が多くて持て余してしまうので、更新のタイミングで会員をやめて、行くことはなくなりました。
後から聞いた話ですが、義母は会員制スーパーの商品を手にしたことがない友人やご近所さんに自慢するため、多方面に「おすそわけ」と言って、ばら撒いていたそうです。その後、隣の市に住む義姉が同じ会員制大型スーパーの会員になったのですが、やはり義母にたくさん買い物を頼まれ、支払いのことでトラブルになったと聞きました。
義母とは良好なお付き合いをしたいと思っているからこそ、お金のことはきちんとしたいなと思った出来事でした。夫婦で義母との距離感やお金が絡む付き合い方などについて話し合い、8,000円については、請求しないことにして「今後は無理をしない」と決めました。そうするようにしてからは、モヤモヤすることもなくなり、今では適度な距離感でお付き合いできています。
著者:道明寺タマゴロウ/40代・女性・主婦。ひとり息子の母。自営業の夫の仕事手伝い。
イラスト:あま田こにー
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年12月)