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出産前は想像もつかなかった…→フルーツが嫌いな私「わからない…」ママの頭を悩ませたワケは?

「○○しか口にできなかった」「いつもは食べない○○を無性に食べたくなった」——妊娠中、特につわりの時期に起きる食の好みの変化は、多くのママにとって強く印象に残る体験のひとつです。

こうした体験から、ママたちの間ではある噂が語り継がれてきました。それは「つわり中に無性に欲した食べ物は、生まれた後の赤ちゃんの好物になる」というもの。さらに一歩踏み込んで「その食べ物を欲するのは、ママ自身の意思ではなく、おなかの赤ちゃんの好みが影響しているのではないか」と考える人もいます。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師天神尚子 先生
産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長

日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
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フルーツ嫌いな私を悩ませたのは?

妊娠中は、普段まったく食べない・むしろ好きではないフルーツがやたらと食べたくなりました。そんな妊娠を経て生まれた娘は噂通りフルーツが大好き。成長した今、食事そっちのけでフルーツを食べています。

 

困ってしまったのは私です。フルーツを食べないあまり、皮を剥いて食べるものなのか、剥くとしてもどのようにすればいいのかわからず試行錯誤! 娘のためになんとか頑張って覚えています。

 

私の人生でここまでフルーツを買って皮を剥くとは……思ってもみませんでした。(たなかさんの体験談)

 

「つわりの間に強く食べたくなったものは、生まれてきた赤ちゃんの好物になる」という噂通りの経験をされたたなかさん。この噂の真相をたしかめるべく、132名のママにアンケート調査をおこないました。

 

39%のママが「つわり中にママが欲した食べ物」=「生まれた後の赤ちゃんの好み」と回答

グラフ

 

アンケートでは「どちらとも言えない」と答えた人が過半数を占め、全体の53%にのぼりました。次いで多かったのは「けっこう好き」(26%)で、「大好物レベルで好き」(13%)が続きます。一方、「あまり好きではない」「苦手・食べない」と回答した人はいずれも4%と、少数派でした。

 

半数以上が「どちらとも言えない」と答えた理由としては、子どもがまだ成長途中で、食の好みが定まっていないケースが多いことが挙げられます。離乳食の初期段階では選べる食材が限られており、十分な食経験を積む前では、好みをはっきり判断しづらいという背景もあるでしょう。

 

その一方で、「大好物レベルで好き」と「けっこう好き」を合わせると、全体の39%に達します。この数字から、つわりの時期に特に欲した食べ物が、実際に子どもの好物になっていると感じているママが、一定数存在していることがうかがえます。

 

これらの結果を踏まえると、「つわりの間に強く食べたくなったものは、生まれてきた赤ちゃんの好物になる」という話も、単なる噂として片付けるには少し気になる数字と言えそうです。

 

 医師の見解は?

このような結果を専門家はどのように捉えているのでしょうか。三鷹レディースクリニック院長 天神尚子先生にお伺いしました

 


「つわりの最中に無性に欲した食べ物が、生まれた後の赤ちゃんの好物になる」という噂について、医学的な観点から整理すると、現時点で明確な因果関係を示す根拠はありません。

 

一方で、海外の研究では、胎児期や授乳期に母親の食事由来の風味に触れることで、その味や香りに対する「慣れ」や「受け入れやすさ」が生じる可能性が示唆されています。妊娠中や授乳中の食体験が、赤ちゃんの味覚の形成に何らかの影響を与える可能性は否定できないと考えられているのです。

 

ただし、これらはあくまで「好みに影響を及ぼす可能性」を示したものであり、「妊娠中に欲した食べ物が必ず好物になる」と断定できるほど明確な法則ではありません。そのため、この噂は迷信として切り捨てるには単純すぎる一方、科学的に裏づけられた事実として受け止めるには慎重さが求められる、というのが現時点での見解と言えるでしょう。

 

つわり中の食体験は、妊娠期の中でも特に印象に残りやすい出来事です。「これしか食べられなかった」「毎日のように同じものを食べていた」といった体験は強く記憶に残りやすく、出産後、わが子が同じ食べ物を口にする姿を見ることで、妊娠中の記憶と自然に結びつけて捉えられることもあります。

 

こうした印象的な体験の重なりが、この噂が語り継がれてきた背景にあるのかもしれません。


 

つわりの時期は、自分の体と向き合うだけで精一杯だった人も多いはず。そのときに感じた「これが食べたい」「これだけは大丈夫だった」という経験がおなかの赤ちゃんにつながっていたと考えると、どこか救われる気持ちになるのではないでしょうか。

 

「妊娠中に欲した食べ物=赤ちゃんの好物」という明確な結果は得られなかったものの、妊娠期の食体験が親子の思い出として心に残り、育児の中で意味を持っていくことは間違いなさそうです。


医学的に立証されていなくても、そうした記憶を大切に抱えていくことが、子育てを前向きにしてくれるのかもしれませんね。

 


■調査概要

調査タイトル:「噂の真相」に関するアンケート
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2025年12月2日(火)〜12月9日(火)
調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」「ベビーカレンダー全員プレゼント」のサービスを利用した方
調査条件:1人以上お子様がいらっしゃる方 174人

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