赤ちゃんが無事に生まれ、「良いお母さんになろう!」「素敵なママになろう!」と気持ちを新たにする人もたくさんいると思います。
けれど一方で、自分でかけた「良いママ」という呪縛に苦しめられ、ストレスを溜めてしまうママも少なくありません。
苦手な家事に追い詰められてしまったママ【Aさんの場合】
Aさんはもともと家事が苦手でした。料理もレシピ通りに作っているはずなのに、どうしてもおいしくできません。嫌いな家事の上に、慣れない育児。周りを見れば、みんなうまくこなしているように見えます。
ママになって家事をもっとできるようにならなければと焦り、結果、ストレスでいつもイライラしてしまう、食事を作ることや片付けについて考えると鬱々としてしまうようになりました。
夫にはもちろん、赤ちゃんにもあたってしまい、ますます物事がうまく進まなくなってしまいました。
産後にAさんのようになってしまうママは、決して珍しくありません。程度の差こそあれ、全てのママに起こる可能性のあることなのです。
すべての物事は、自身の考え方から発生
心理学上では、しなければならない、こうでなければならないと思い込んでしまうことを「イラショナルビリーフ」といいます。
ここで重要なのは、否定的な感情の原因は出来事から発生しているわけではなく、自身の考え方や感じ方から生じているということです。
「ママは家事もきちんとできなくてはならない」「赤ちゃんのいる家はいつもきれいにしておかなければならない」「片付けをできないわたしはダメだ」「料理をできないわたしは主婦失格だ」と感じてしまったり、考えているのは自分自身であり、他者のせいでも、過去のせいでもないのです。
どうしてそう思ったのか、現実的な考えか、を考える
イラショナルビリーフの状態になってしまったら、片付けをできない自分はダメなのか? 料理をできないと主婦は失格なのか? というように、今の考え方、感じ方が本当に正しい物事の捉え方なのか検討してみてください。
絶対的に、片付けをできないとダメ、料理をできないと主婦失格、なんてことはないことがわかると思います。イラショナルビリーフの状態になっているとき、多くの場合、極端に一般化した考え方になってしまっていることが多いのです。
ここまで読んで、「こんなふうに考えてしまう自分はやっぱりダメなんだ」とは決して思わないでください。そう思ってしまったら、また、どうしてそのように思ってしまったのか、本当に正しい捉え方なのかについて考えてみてください。
自分ひとりで考えていても自分を責めてしまうようであれば、ぜひ、友人や夫、カウンセラーなどに、状況を話してみてください。イラショナルビリーフの状態から、抜け出せるきっかけをもらえるはずです。