

離婚後の解放感と、消えない引け目
夫のモラハラが激化し、子どもの前でも暴言を放つようになったため、私は離婚を決意しました。別居後に調停を申し立て、長い話し合いの末にようやく離婚が成立。支配される毎日からようやく解放され、仕事も見つかり、充実した日々を手に入れることができました。
しかし、職場の同僚やママ友から「旦那さんは?」と聞かれるたび、言葉を濁して話題を変える自分がいました。シングルであることを公表できないことに、次第に引け目を感じるようになっていったのです。
心を閉ざすきっかけとなった苦い経験
実は、離婚直後に受けた仕事の面接での苦い経験から、私は周囲にシングルだと言い出せなくなっていました。面接でシングルマザーだと伝えた途端、60代くらいの女性面接官からしつこく離婚理由を聞かれたうえ、逆に説教を受けてしまったのです。
相手のモラハラが原因だと伝えても、「言葉の暴力くらいで離婚するなんてわがまま。子どもがかわいそう。手を出されたわけじゃないのだから、それくらい我慢しないのはおかしい」とまで言われ、結果は不採用。
そのことがあってから、「シングルマザーだと言うと、また理不尽なことを言われるのでは……」と身構えるようになり、聞かれないよう相手と距離を置くようになってしまいました。その後、無事に別の仕事が決まりましたが、職場でもシングルであることは伏せたまま過ごしていました。
しかしある日、思い切って打ち明ける転機が訪れたのです。
「私だけじゃない」と思えた言葉
働き始めて3年ほど経ったころ、職場の50代の女性の先輩に夫のことを尋ねられました。一緒に働き、信頼している先輩には嘘をつきたくないと思い、私は意を決してシングルマザーであることを打ち明けました。すると先輩は「そうだったの。大変だったわね」と、やさしい言葉をかけてくれたのです。
さらに先輩は、「実は私もシングルなの。だから大丈夫。みんな立派に生きているんだから、引け目に感じなくていいのよ」と続けてくれました。その言葉に、私は思わず号泣。
「私だけじゃない」という実感が、「シングルでも胸を張っていいんだ」と背中を押してくれました。それからは自分からシングルだと言えるようになり、相手と距離を置くこともなくなったのです。
シングルマザーであっても、子どものことを思い、精いっぱい生きているのは同じ。堂々としていればいいのだと、思い切り背中を押してくれた先輩には心から感謝しています。
実際に経験してみて、スパッとカミングアウトしたほうが、それ以上深く突っ込まれないようにも感じます。自分が選んだ人生に自信を持って進もうと思えるようになった、大切な出来事でした。
著者:本宮ゆりか/40代女性・パート。2012年生まれの息子、2016年生まれの娘のシングルマザー。営業事務、受付のあとに学童指導員として7年勤務。2人目の出産のため退職し、現在は書店にてパート勤務。食物アレルギー持ち&発達グレーの息子と、癇癪持ちの娘の育児に奮闘中。ラグジュアリーなホテルに泊まるのが夢。
作画:おはな
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年12月)