3才のころ、保育士さんに、足の長さが左右で違うことを指摘されたことをきっかけに、骨の軟骨部分に腫瘍ができる「オリエール病」と判明した夢子。足の長さの違いはその腫瘍によるもので、腫瘍は悪性ではなさそうなものの、治療をせずに放っておくと、歩行が困難になるケースもある病気でした。
経過観察を続けつつ、手術などの治療は、夢子の足の長さの差が5㎝になった5才からスタート。入院には付き添いが必要だったため、母と夢子、父と姉・妹で、別々の生活も始まりました。
オリエール病の治療は過酷で、複数回の手術と長期にわたる激痛を伴うリハビリで、日々大変な思いをしていた夢子。一方、父と姉・妹は祖母がサポートしてくれていたものの、姉は厳しい父に家のことを手伝わされることも多く、また母のいないさみしさもあって、姉の不満はどんどん増加していきました。
姉は、学校の成績もよくスポーツも万能で、母の前では夢子に対してやさしいことを言っていましたが、入退院を繰り返しながら、たまに帰宅する夢子に対し、母に隠れて、暴力をふるったり、夢子のお小遣いを奪ったり、夜な夜な夢子に精神的なダメージを与えるような暴言を吐いたりと、嫌がらせ三昧だったのです。
しかし、夢子は姉の嫌がらせを家族にも言えずにいました。それは、夢子自身も「家族がバラバラになったのは自分のせいだ」と思い込んでいたからです。
続・2才年上の長女、愛子の本性
















夢子が目撃した衝撃的な光景…。それは、親の前ではしっかり者のはずの姉・愛子が、母の財布からお金を盗むところでした。思わず声をかけた夢子に、姉は「何もしてねぇよ」と言いつつ、「お父さんやお母さんに告げ口したら許さないからね」と口止め。そんな姉に夢子は「お母さんのお金を盗むなんて最低だ」と軽蔑しますが、同時に「お姉ちゃんがこんなことをするのも私のせいなの?」と、自分の病気が悪の根源であるかのように思ってしまいます。
また、末娘の姫子が、母と一緒に寝られることを喜ぶ様子を見ても「私のせいで家族みんなにつらい思いをさせている…ごめんね」と落ち込む夢子…。すべては自分の病気のせいであるかのように考えてしまうのでした。
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母の前では"いい子”であるはずの姉が、まさか母の財布からお金を盗んでいたなんて…夢子にとっては衝撃的な光景だったでしょう。でも、そんな姉の行為を軽蔑しつつ、姉のおかしな行動も、父と母の仲が悪いのも、自分、そして自分の病気のせいなんだと思ってしまう夢子は、姉の「すべては夢子のせい」という言葉に洗脳されてしまっているかのようです。
妹・姫子が母に甘える様子すら、夢子にとっては、責められている気分になってしまうというのは、本当にかわいそうに思います。
夢子のように、つらい思いをして病気と強く闘っている人たちが、同時に「他人に迷惑をかけている」という罪悪感を抱いてしまうことのないように、「病気になったのは、誰のせいでもない」ことを伝えるケアは必要なものなのだと考えさせられますね。
<オリエール病について>
オリエール病という病気は、多発性内軟骨腫症とも言い、成長盤の軟骨細胞に腫瘍ができるという、たいへん稀な病気です。身長が伸びるためには、骨の末端近くにある成長盤の軟骨が増えて、骨が長くなる必要があるのですが、この成長盤の軟骨に腫瘍ができると、正常な成長が阻害されてしまいます。オリエール病は、この現象が片側半身のみにおきるのが特徴であるため、左右で足の長さが違うということが起きるのです。痛みが出る、骨がもろくなって骨折しやすいなどで歩行に問題が出ることもあり、治療には複数回の手術が必要です。足の長さが違うなど、異変に気づいたら、早めに受診をしましょう。
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