騒音クレームがあった下の階にお詫びに行くと
引っ越したばかりで、まだ新しい生活に慣れずバタバタしていたころのことです。当時2歳だった娘はとにかく元気いっぱいで、家の中でもついお気に入りの場所まで走り回ってしまうことがありました。
そんなある日、管理会社から一本の電話が入りました。
「下の階の方から、足音がうるさいと苦情が来ています」
その言葉を聞いた瞬間、心臓がドキッとして、頭の中が真っ白になりました。「周りに迷惑をかけていたんだ」「どうしよう、怖い人だったら……」と、申し訳なさと不安で胸がいっぱいになったのを覚えています。
居ても立ってもいられず、私はすぐに菓子折りを準備しました。緊張しながら下の階のチャイムを鳴らし、精一杯の誠意を込めて不注意をお詫びしたのです。
ドアを開けて出てこられたのは、少し厳しそうな表情をした年配の男性でした。改めて 「申し訳ありませんでした」とお詫びをする私に、男性は最初、少し黙ってこちらを見ていました。ですが、私の不安な様子を感じ取ったのか、ポツリポツリと胸の内を明かしてくださったのです。
「実は、妻を亡くしてからというもの、静かな家の中でつい音に敏感になってしまってね」
その言葉を聞いて、私は胸が締め付けられる思いでした。単に音が不快だったというより、静かになった家の中で、ふとした音が気になってしまう……。そんな男性の状況を想像して、申し訳なさでいっぱいになったからです。
男性は最後には「こちらこそ、敏感になっていて申し訳ない」と、穏やかな笑顔を見せてくれました。そのやさしさに触れて、とてもホッとしたのと同時に、謝りにいった側なのに、温かい気持ちになりました。
現在、わが家では防音マットを徹底して敷き詰め、娘とも「お家では歩こうね」と約束しています。そしてその後、マンションの廊下で男性に会うと笑顔で娘にやさしく手を振ってくれる、心地よいご近所付き合いが続いています。あのとき、勇気を出して直接お話しして、本当によかったと心から思っています。
著者:本田陽/20代女性/3歳の娘を育てている母親。会社員として働く。趣味は映画鑑賞。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年12月)
※AI生成画像を使用しています
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