看病休暇を取ると言ったのに
ある日、6歳の長女と4歳の次女が通う保育園からも、インフルエンザが流行し始めたという知らせが届きました。わが家も他人事ではないと、家族で予防接種を受け、毎日の手洗い・うがいも徹底し、万全の体制で冬を迎えたのです。
しかし、とある日曜日の夜に長女が発熱。翌朝病院で検査をしてみると、インフルエンザと診断を受け、月曜日から金曜日まで保育園をお休みすることになったのです。このとき、夫はたまたま単身赴任先から一時的に戻っていたのですが、協力して看病どころか「俺は休めないから。お前が看病しろよ」と言い当然のように自宅から仕事先へ出社。私が在宅で仕事をこなしながら看病することになりました。
しかし、続いて火曜日の夜に次女が発熱。翌朝受診するとやはりインフルエンザでした。ぐったりした子ども2人を連れてタクシーで帰宅すると、今度は私が発熱して動くことも困難に……。自分だけで子どもたちの面倒が見られなくなり、いよいよ夫に助けを求めたのです。
これにはさすがの夫も定時ですぐに帰宅し、娘たちの食事やお風呂の世話をしてくれました。その間に、私も病院で検査を受け、インフルエンザであることが確定したため、一家4人のうち3人が療養生活に入ることに。すると夫は「今週いっぱいは看病休暇を取るよ。2日間くらいならみんなフォローしてくれるし大丈夫」と率先して仕事を休むことを宣言! 珍しい夫の気遣いをありがたく思っていたのもつかの間、次の日に事件は起こりました。
私が翌朝解熱し、病状が少しずつよくなってきたのを見て、夫は「もう大丈夫そうだし、ちょっと同僚と飲みに出てくるわ」と言って、夕方に出かけてしまったのです! 実は看病休暇と言いつつも、私や子どもたちが寝室で寝ている時間が多かったこともあり、日中はスマホゲーム三昧だった夫。私も解熱したとはいえ万全の体調ではなく、子どもたちの体調が変化したらすぐ動ける状態ではありません。「まだ大変だから家にいてほしいんだけど……」と伝えたものの、「どうせ寝てるだけなんだし、俺がすることないでしょ」と、まったく心配する様子はありません。「だからって普通遊びに行く?」「自分にもうつってるかもしれないのに、普通飲み会に行く?」とモヤモヤしたものの、私は怒る体力も気力もなく、夫の後ろ姿を見送りました。
しかし、飲みに出かけてわずか1時間で帰宅した夫。「もしかして、夫まで体調が悪くなったのでは……」と心配しましたが、その様子はなく、落ち込んでいる様子。事態が飲み込めず困惑する私に、夫は「実は、今日は会社の同僚たちの飲み会だったんだ。グループチャットで飲み会の話が出てたから、行きたくなってつい飛び込み参加したんだけど……」と話します。しかし店に夫が現れるなり、「看病で休んでいるはずじゃ?」と指摘され、その場の空気が凍りついたそう。そして「お前の仕事のフォローをしてやってる俺らに対しても、奥さんに対してもマナー違反だ」と正論で詰められ、すぐに帰されたのだと言いました。
そして、夫はその翌日の金曜日、インフルエンザだと思われる症状が出て、病院で検査をした結果、やはりインフルエンザでした。叱責してくれた夫の同僚たちには、会った時間が短かかったこともあり、うつらなかったようですが、翌週月曜に私と子どもたちが回復して仕事や保育園に出かけるなか、ひとり寂しく療養生活を送ったのでした。夫が出社できたのはその週の木曜日。看病休暇と土日休みに加え、さらに3日間の病欠で、1週間の長期連休になりました。復帰したあとも、「本当にインフルエンザだったのか?」「どうせまたサボってたんじゃないのか?」と同僚から冷ややかな言葉を受けたのだとか。失った信頼はなかなか取り戻せないようで、しばらくは仕事への足取りが重くなっていました。
体調不良で苦しむ家族を置いて、自分だけ楽しもうと遊びに出かけた夫の無責任さは、同僚からの冷遇と自身の発症という形で、そのまま自分に返ってくることになりました。この一件以来、私は夫を反面教師として、家族で助け合うのはもちろん、それ以外でもフォローしてくれている周囲への感謝を忘れず、信頼を積み重ねる生き方をしようと強く誓いました。
著者:田村ゆい/30代・ライター。おしゃまな6歳とマイペースな4歳の姉妹を育てる母。夫が単身赴任中のため、毎日ワンオペで奮闘中。賑やかな娘たちと慌ただしい毎日を過ごしている。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年12月)