「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。今回は妊娠中の車の運転に関するご相談です。
Q.妊娠中の車の運転はいつまでOK?
営業職で毎日運転しています。通勤に片道40分、営業中も車移動です。来月から妊娠28週に入るのですが、里帰り出産先の産院が遠いこともあり(片道45分見込み)
いつまで運転してよいのか気になりました。できる限り両親に送迎をお願いする予定なのですが、自分で運転できるなら許される限りはそうしたいです。
それとも妊娠後期は座れるのであれば、電車の方がよいのでしょうか。
宮川めぐみ助産師からの回答
お仕事でも運転をされているのですね。妊娠後期に入られるということなので、おなかもだいぶ大きくなってきて、ハンドル操作が大変になってきたり、シートベルトも苦しさを感じるようになってきたりするかと思います。また注意力が落ちてきたり、眠気に襲われるようになることもあるかもしれません。できれば、運転は控えるようにしていただくほうが安心かと思います。
いつまでしていいのかという決まりはありませんので、最終的にはご自身の体調などで判断していただくようになるかと思うのですが、ご家族に乗せてもらうようにされたり、電車などを利用されるようにすることをおすすめします。
※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー
※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください
妊娠中に運転をするときに気を付けること
電車やバスなどの公共交通機関の利用が難しい地域だったり、上のお子さんと一緒に移動するときや家族の送迎、通勤や仕事中に運転する、自家用車が唯一の移動手段であるなど、さまざまな理由で車を使わなければならない場合があるかと思います。
ここではどうしても車を運転しなければならない場合に気を付けることについて説明します。
■シートベルトを必ず装着する
警察庁は2008年に「交通の方法に関する教則」を改訂して、自動車に乗車する妊婦は原則としてシートベルトを装着するべきであると明記しています。運転するときだけではなく、助手席や後部座席に乗るときもシートベルトを装着することで、母体や胎児を交通事故の被害から守ることができます。
もし、シートベルトを装着すると窮屈に感じるという場合は、正しい装着ができていないせいかもしれません。下記のポイントを参考に装着してください。
【妊娠中のシートベルト装着時のポイント】(※)
1.常に肩ベルトと腰ベルトを共に着用する。
2.肩ベルトは首にかからないようにする。
3.肩ベルトは両胸の間を通し、腹部のふくらみにかからないように、脇腹へ通す。
4.腰ベルトは、腹部のふくらみを避け、腰骨のできるだけ低い位置を通す。
5.運転時は、腹部のふくらみとハンドルの間に若干の空間を作るため、座席シートの位置を前後に調整する。
■適宜休憩をとりながら運転する
連続して運転する場合は、できれば1~2時間程度にしましょう。里帰りなど長距離移動中に高速道路を利用する際も、サービスエリアやパーキングエリアを利用して、適宜休憩をとってください。
妊娠中は血液が固まりやすくなる生理的変化が起こるため、同じ姿勢をとり続けることで血栓ができる静脈血栓塞栓症を起こす可能性があります。また、妊娠中は、同じ姿勢を続けることで腰や背中の痛みが起きやすくなったり、大きくなった子宮の圧迫によって頻尿(排尿回数が増える)が起こることがあります。
トイレへ行く回数やむくみを気にして水分を控える妊婦さんもいますが、静脈血栓塞栓症を予防するためには水分補給が大切です。休憩をとり、身体を動かしたり、水分補給をしましょう。
■普段運転し慣れていない環境や里帰り先の道などは注意深く運転する
自宅近くでの運転は慣れていても、悪天候のときや里帰り先での運転などシチュエーションが変わると運転に対する注意の仕方も変わります。
運転の際は、妊娠していないときよりもより慎重に、時間的な余裕と気持ち的な余裕をもって運転するよう心がけてください。
※参考:基礎知識(妊娠中)「妊婦さんは車を運転しても大丈夫?妊娠中に車を運転する場合の注意点について」【監修:天神尚子先生 産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長】
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