耳を疑った女性の言葉
子どもがまだ小さかったころのことです。初めての育児に追われ、家の中も荒れ放題。心身ともに限界を感じていた私は、地域の広報誌で見かけた「シルバー人材センター」の家事援助サービスを頼むことにしました。民間の業者よりもリーズナブルで、地域のベテラン主婦の方が来てくれるという安心感もあり、「これなら私でも頼めるかも」と、わらにもすがる思いでした。
当日来てくださったのは、やさしそうな年配の女性でした。まるで田舎のおばあちゃんのような温かい雰囲気で、最初は「よかった、この方なら安心だ」と胸をなでおろしました。
ところが、作業が始まってしばらくしたころです。その方は、リビングのテーブルに置いてあった育児書を手に取り、パラパラとめくりながら私の方を向いて言いました。
「今は便利な世の中だけど、母親がラクしようとすると子どもは育ちませんよ」
一瞬、耳を疑い言葉に詰まりました。しかし、彼女は諭すような口調でさらに続けます。
「家事の手間を惜しむようじゃ、母親の愛情なんて伝わりませんからね」
心臓が大きく跳ね、冷たい水を浴びせられたようなショックを受けました。けれど、相手は親ほども年の離れた人生の先輩です。その場の空気を悪くしてはいけないと必死に笑顔を作り、「今日は掃除をお願いしていますので、作業を進めていただけますか」と、やんわり伝えました。
それでも彼女のお説教は止まりません。「昔はこんなサービスなかった」「母親は家にいるべきだ」。作業をする手よりも口の方が動いているようで、時間が永遠のように長く感じられました。
結局、予定時間は過ぎたものの、肝心の掃除は中途半端な状態で終了しました。助けてもらおうと思って頼んだはずなのに、残ったのはきれいになった部屋ではなく、「私は母親失格なのだろうか」という重い疲労感でした。
悩みましたが、この出来事は事実としてセンターに伝え、担当の方を変えてもらいました。後日、別の方が来てくださり、テキパキと業務に徹してくれた姿を見て、ようやく救われた気持ちになりました。
あのときのスタッフの方にとっては、良かれと思ってのアドバイスだったのかもしれません。でも、私にとっては、助けを求めて頼んだ相手から否定されたようで、本当にショックで、悲しい時間でした。善意の顔をした言葉が、一番人を傷つけることもあると痛感したのです。私自身も誰かに言葉をかける時には、相手の気持ちや状況を想像し、やさしさのある発言を心がけたいと改めて思いました。
著者:西山ともこ/30代女性/5歳の男の子を育てる母親。平日は仕事、土日は家族との時間を大切にしています
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年1月)
※AI生成画像を使用しています
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