重度の小麦アレルギーと向き合う日々
息子は小麦を一口食べるだけでも症状が出てしまうため、私は毎日手作りでごはんを用意し、その際は必ず原材料をチェックしていました。
小麦を含む食材は徹底して除去。調味料やお菓子に至るまで細かく確認し、家の中には極力、小麦製品を置かないようにしていました。
とはいえ、小麦は非常に多くの食品に使用されているため、その管理は決して容易なことではありませんでした。
母が作ってくれた「米粉パン粉」のハンバーグ
やがて小学1年生になった息子は、医師の指導のもとで少しずつ小麦を口にする「食物経口負荷試験」を開始。毎日決められた量を食べ、体を慣らしている最中でした。
そんなある日、仕事で帰りが遅くなった私に代わり、同居している母が昼食を作ってくれていました。私が帰宅したとき、ちょうど息子は母が作ったハンバーグを食べているところでした。
母は私に「近所のスーパーで米粉のパン粉を見つけたのよ。いつもと違うメーカーのパン粉で作ったから、食べてくれるか心配だったけど、口に合ったみたいでよかったわ」と、にこやかに話してくれました。
「米粉」という名称に隠れた落とし穴
ところが、ハンバーグを食べ終えた息子が、5分もしないうちに「体がかゆくなってきた」と腕や肩を掻き始めたのです。私は嫌な予感がして、すぐに母が使った米粉パン粉の原材料を確認しました。
初めて使ったというそのパン粉の袋を見ると、「米粉パン粉」という大きな文字の横に、「小麦グルテン使用」とはっきりと明記されていたのです! もちろん裏面の原材料欄にも「小麦」「小麦グルテン」の文字が……。
私は慌てて、アレルギー症状が出たときのために処方されていた薬を息子に飲ませ、安静にさせました。
母はパン粉の袋を凝視しながら、「ごめんね……私が見落としたばかりに」と涙ぐんでいました。自責の念に駆られる母の姿に胸が痛みましたが、まずは息子の対応が最優先です。少し症状が落ち着いたところで、息子を念のため病院へ連れていくことにし、母には娘と一緒に留守番をお願いしました。
医師からは、食べたのが少量だったこと、自宅で負荷試験を続けていたため体に少し耐性がついていたこと、そしてすぐに投薬して安静にしたことで、大事に至らずに済んだと言われ、心底ホッとしました。
母は「米粉」と書いてあったことで、お米の成分しか入っていないと思い込んでしまったと深く反省していました。その後は二度とこのようなヒューマンエラーが起きないよう、私や母はもちろん、息子自身にも自分で原材料を確認するよう教え、家族全員で細心の注意を払っています。
◇ ◇ ◇
「米粉パン粉」という名称であっても、小麦を使用していない製品がある一方で、食感を調整する目的で小麦由来の原材料(小麦グルテンなど)が使用されている製品もあります。そのため、選択の際には注意が必要です。
これは米粉パン粉に限らず、加工食品全般において、食感や品質を保つために主原料とは異なる原材料が使用されることがあります。
商品の名称やパッケージの表記だけで判断せず、必ず裏面の「原材料名」や「アレルギー表示(特定原材料等)」を確認することが大切です。
毎日のアレルギー管理は容易ではありませんが、家族で「表示を確認する」という習慣を共有し、協力しながらお子さんの安全を守っていきましょう。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修:堤ちはる(管理栄養士)前 相模女子大学 栄養科学部 教授
著者:本宮ゆりか/40代女性。2012年生まれの息子、2016年生まれの娘のシングルマザー。営業事務、受付の後に学童指導員として7年勤務。2人目の出産のため退職し、現在は書店にてパート勤務。食物アレルギー持ち&発達グレーの息子と、癇癪持ちの娘の育児に奮闘中。ラグジュアリーなホテルに泊まるのが夢。
イラスト:あさうえさい
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年1月)