そんな折、実家の母から衝撃的な連絡が入りました。妹が、またしてもトラブルを起こしたというのです。
妹は以前から、他人のものを欲しがる悪い癖がありました。数年前には不倫騒動で両親が慰謝料を肩代わりした前科もあります。今回の騒動も、同僚の恋人にちょっかいを出そうとしたところで同僚にバレ、トラブルになったようです。
そんな妹は両親にこっぴどく注意され、一人暮らししていた家を引き払い実家に連れ戻されたのでした。夫にその件を愚痴ると、彼は「若いなぁ」と他人事のように笑っていたのです。
それから間もなくして、夫はまるで人が変わったように早く帰宅するようになりました。休日は私に寄り添い、不慣れな家事まで手伝ってくれるのです。「これからは君との時間を一番に考えたいんだ」という言葉を、私は関係が修復した証だと信じ、心から喜んでいました。
波乱の結婚記念日
事件が起きたのは、待ちに待った結婚記念日当日でした。
予約していたレストランへ向かおうとしていた矢先、実家の母から着信が入りました。そこで突きつけられたのは、妹が妊娠したという事実。その相手は「私の夫」だと言います。
妹のスマホには、夫との生々しいやり取りや親密な写真が大量に残されていたそうです。夫と妹は私に隠れて、関係を深めていたのです。
夫が急に早く帰るようになったのは、私への愛ゆえではなく、妹が実家に連れ戻されたから……。つまり、これまで密会場所としていた「不倫相手(妹)の家」がなくなったから、というだけの理由でした。
夫の言い分
私は、先にレストランに着いていた夫にメッセージを送りました。夫は時間になっても来なかった私に「事故でも起きたのかと思った」と心配したふりをしますが、私はそれには応えず「妹か妊娠した」と告げたのです。
最初は「妹に彼氏いたんだね」としらばっくれる夫でしたが、母から共有してもらった証拠の数々を突きつけると、言い逃れできないと悟ったよう。
それでも「本当に俺の子?」「はめられたんだ」と苦しい言い訳を並べ立てました。
私の追求によって逃げ場を失った夫は、ついに「魔が差した」と言います。怒りで指先が震えましたが、私は努めて冷静に「今すぐ実家に来て。逃げても無駄だから」とだけ送り、画面を閉じました。
不倫カップルの末路
実家に飛んできた夫は、妹と私を前にして、泣いて離婚を拒みました。
「一番大事なのは君だ」「もう妹とは会わない」と身勝手な主張を繰り返す夫。挙句の果てには「男は外で遊んで戻ってくるものだろ? 結局、最後にお前のところに戻ったんだからいいじゃないか」と、自分を正当化するような言葉を吐く始末でした。
「好きだったからこそ、もうあなたの顔を見るのも嫌なの」私の揺るがない気持ちに、夫は膝から崩れ落ちました。
観念した夫は離婚届にサイン。私たちの婚姻関係は幕を閉じました。
その後、元夫は妹と再婚しましたが、妹の“他人のものを欲しがる癖”は治らず、元夫は「別れたい」と言っているようです。
私は遠く離れた土地へ引っ越し、妹とも元夫とも縁を切りました。心の傷が完全に癒えるまでには、まだ時間がかかるかもしれません。それでも今は、新しい職場で穏やかな再スタートを切っています。
◇ ◇ ◇
誰かの大切なものを奪って手にした日常に、平穏が訪れることはありません。一時的な優越感や刺激は得られても、その根底にあるのは「嘘」と「誰かを傷つけた」という事実です。
誠実さなしに築き上げた関係は、少しのトラブルで簡単に壊れてしまうほど、もろくて不安定なものだと改めて感じさせられますね。
【取材時期:2026年1月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。