「代わりはいくらでもいる」と笑う上司
彼女の口癖は、今の時代なら一発アウトなパワハラ発言でした。
ある日、僕がプロジェクトの改善案を出した際も、彼女は内容も見ずに鼻で笑ったのです。
「あなた程度のスキルで意見するなんて100年早いわ。うちのレベルについて来られないなら、身を引くのも一つの選択肢よ? 無能を置いておく椅子はないのw」
さらに、追い打ちをかけるようにこう言い放ちました。
「代わりなんていくらでもいるわ。嫌なら辞めれば?w」
周囲の同僚たちは目を伏せ、僕も拳を握りしめました。
彼女は社内での立ち回りがうまく、部内での評判は最悪でしたが、会社の上層部はそのことに気づいておらず、部署は彼女に任せきりの状態。
僕は「このままでは精神的に追い詰められてしまう」と感じ、密かに転職活動を開始。条件の良いライバル会社から内定をもらったその日に、退職届を提出しました。
「言ったのはそっちですよね?」
退職届を見た彼女は、反省するどころか「あら、やっと決心がついた? 自分の意思で辞めるんだから、文句はないわよねw」と、厄介払いができたと言わんばかりの態度。
僕は静かに「はい。部長の『お言葉通り』、辞めさせていただきます」とだけ答えました。
それから数か月。僕は新しい職場で正当な評価を受け、穏やかな日々を過ごしていました。そんなある日、会議を終えて同僚と話していると、ポケットの中のスマートフォンが異常な震え方をしたのです。
画面を見ると、そこには前職の女上司の名前が。無視していても鳴り止まず、通知画面はあっという間に「着信100件」という異常事態に。同僚も「何これ、怖いんだけど……」と引き気味です。
あまりのしつこさに一度だけ電話に出ると、聞こえてきたのは、あの余裕たっぷりだった姿からは想像もできない悲鳴でした。
「ちょっと! なんで出ないのよ! あなたが管理してたシステムの保守、誰もやり方がわからないのよ! クライアントからは契約解除だって怒鳴られて……今すぐ会社に来て説明しなさい!」
崩れ去った「代わりのいる」組織
彼女は、僕が担当していた業務が「確かなスキルと経験」によって積み上げられたものだったことを理解していなかったのです。僕の後任として入った新人も、彼女のパワハラに数日で逃げ出し、部署は完全に崩壊。代わりどころか、誰も近寄らない「呪われた部署」と化していました。
僕は冷ややかに返しました。 「僕の代わりはいくらでもいると仰いましたよね? 引き継ぎはしっかりしましたし、今さら僕を頼るのは、ご自身の無能を証明しているようなものですよ」
「そんなこと言わないで助けてよ! このままだと部長の立場も危ういの!」 必死にすがる彼女に、僕はトドメを刺しました。
「以前僕に、『求められるレベルについて行けないなら、身を引くのも一つの選択肢』とおっしゃっていましたよね。ご自身のスキルを振り返ってみては? それに、僕はもう別の会社の人間ですので、二度と連絡してこないでください」
その後風の噂で、彼女は会社に多大な損失を出した責任を問われ、厳しい処分が下ったと聞きました。一方の僕は、今の職場で頼れる仲間に囲まれ、自分のスキルを発揮する仕事ができています。あの時、勇気を出して「言葉通り」にして本当に良かったです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。