学歴を理由に向けられた視線
初出社の日、あいさつに行った私に、上司・A子さんから「社用スマホの操作はできる? メールくらい書けるわよね? 本当に戦力になるのかしら」と、冷ややかな言葉が向けられました。戸惑いながらも、「未熟者ですが、ご指導よろしくお願いいたします」と頭を下げました。しかしその後、学歴の話題になると空気は一変します。
「大学は出ていません。高校も進学していません」と正直に伝えると、「中卒なの? それでよく入れたわね」と、驚きとあきれが混ざった表情を向けられました。
「最近は多様性とかあるから、そういう採用もあるのね」
そんな言葉も投げかけられましたが、私は言い返さず、「期待に応えられるよう努力します」とだけ伝えました。
雑務ばかりの日々、それでも諦めなかった
入社から1年。私は会議資料の下準備やデータ整理など、主にサポート業務を任されていました。重要な商談には同行させてもらえず、企画会議にも呼ばれない。それでも与えられた仕事には全力で向き合い続けました。
ある大型案件の準備期間中、連日深夜近くまで資料作成を担当していたのも私でした。クライアントの要望や過去のやりとりも、誰より把握していた自負があります。そんな中、突然A子さんが体調を崩し、重要なプレゼンを欠席せざるを得なくなりました。
社内がざわつく中、私は思い切って「資料作成はこれまで私が担当してきました。内容も把握しています。もしよろしければ、私が対応します」と申し出ました。
一瞬、空気が止まりました。
「あなたが?」と驚かれましたが、他に適任者もおらず、最終的に任せてもらえることになりました。
本番で示した「これまでの積み重ね」
そして迎えたプレゼン当日。私は緊張しながらも、準備してきた内容を一つひとつ丁寧に説明しました。質疑応答にも、これまでのやりとりを思い出しながら誠実に対応しました。
結果、プレゼンは無事終了。後日、契約成立の連絡が入りました。復帰したA子さんに報告すると、しばらく沈黙した後、「あなたが……プレゼンできるなんて思っていなかった」と、ぽつり。私は静かに、「中学卒業後、父が経営する会社で働きながらビジネスの基礎を学びました。学歴はありませんが、現場で積み上げてきた経験があります」と答えました。
父もまた中学卒業後に起業し、会社を成長させてきた人です。私はその背中を見て育ちました。この出来事をきっかけに、私の仕事ぶりを改めて見てくれる人が増えました。部署内で新規案件の担当を任される機会も増え、異動の希望も通りました。A子さんとの関係も、以前のような一方的なものではなくなりました。今では必要な会話はきちんと交わしています。
学歴は変えられません。でも、仕事への姿勢と積み重ねは、自分次第でいくらでも築ける。そのことを実感した出来事でした。
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学歴だけで人の能力を決めつけることはできません。どのような環境にあっても、誠実に努力を重ね続ける姿勢こそが、やがて周囲の評価を変えていきます。肩書きではなく、日々の積み重ねこそが本当の信頼につながる――。そう実感させてくれるエピソードですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています
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