非常識なママに先生が伝えたこと
幼稚園の保護者同士で集まると、いつも決まって高級ブランドの服やバッグを身に着けてくるママがいました。
「子どもには本物を見せないと」「安物は感性が育たないから」と、周囲に聞こえるように話すことがよくあります。
習い事や教材の値段まで具体的に口にするため、張り合われているように感じて、正直うんざりしていました。
ある日の懇談会での出来事です。
先生から「家庭で大切にしている教育方針」というテーマで意見を求められた際、そのママは「うちは経済的に余裕があるので、良い物だけを与えています。安物は感性が育たないですし」と自信満々に発言しました。
すると先生が穏やかな口調で「良いものに触れる経験も素敵ですね。ですが、園が教育において一番大切にしているのは、子ども自身が『自分は無条件に愛されている』と安心できる環境です」と語りかけます。続けて「ブランドものよりも、親子でゆったりと過ごす時間の質が、お子さんの豊かな感性を育んでいくと考えています」とやさしく補足されました。
教室は一瞬静まり返り、彼女は少しバツが悪そうに少し赤面し、視線を落としていました。
その後、彼女が急に人が変わったように謙虚になったわけではありません。相変わらず高価な持ち物を身に着けていますし、会話の端々に自慢めいた言葉が漏れることもあります。
ただ、あの一件以来、みんなの輪の中で露骨にお金の話をすることは減りました。周りの保護者たちも「そういう価値観の人なのだな」と割り切り、適度な距離を保ちながら付き合えるようになった気がします。
私自身も、この出来事を通して気持ちがとてもラクになりました。第三者である先生の冷静で公平な言葉が、私の中のモヤモヤをすっと晴らしてくれたからです。子育てに明確な正解はなく、他の家庭と比べること自体があまり意味を持たないのだと、今は落ち着いた気持ちで受け止めています。
著者:原田愛子/30代女性/2児の母。パート勤務。趣味は韓国ドラマ鑑賞
イラスト:きりぷち
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年1月)
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