問題
「発売」と「販売」の決定的な違いはなに?

- 売る「相手(個人か法人か)」が違う
- 売る「場所(実店舗かネットか)」が違う
- 売る「タイミング(一瞬か継続か)」が違う
正解と解説

正解は… 3. 売る「タイミング(一瞬か継続か)」が違う です!
発売(はつばい):世に出す「スタート」の瞬間

「発」という字には、「出発」や「発射」のように「外に向かって動き出す」という意味があります。 つまり「発売」とは、新しい商品を初めて世の中に出して、売り「始める」ことを指します。
例:新商品の発売、チケットの発売日、本日発売!
ポイント:基本的には「スタートするその時(1回きり)」にスポットを当てた言葉です。「長年発売している」とは言わず、「長年販売している」と言うのはこのためです。
販売(はんばい):売り「続ける」継続的なアクション
「販」という字には、「あきなう(商売する)」という意味があります。 つまり「販売」とは、商品をお客さんに売るという「行為そのもの」や「継続的な活動」を指します。
例:通信販売、深夜の酒類販売、全国のスーパーで販売中
ポイント:新商品に限らず、「今、売る活動をしている」という継続状態を表します。「販売日」よりも「販売期間」という言葉の方がよく使われますね。
豆知識:パッケージの裏にある「発売元」と「販売元」って何が違うの?
お菓子や化粧品のパッケージの裏を見ると、「発売元」と「販売元」という2つの会社名が書かれていることがあります。これも、言葉の意味を知るとハッキリ違いがわかります。
発売元(はつばいもと)= プロデューサー
その商品を企画し、「世に出すぞ!」と決めた会社です。ブランドの持ち主であり、商品の全責任を負う大元の会社を指します。
販売元(はんばいもと)= 営業・デリバリー(流通)
商品を実際に流通させ、お店に並べて「売る」ことを担当する会社です。発売元から依頼されて、全国のスーパーなどに届ける役割を持っています。
※ちなみに、企画から流通・販売までをすべて自分の会社で行っている場合は、まとめて「製造販売元」と書かれたりします。
例文でスッキリ!「発売」と「販売」の最強コンボ
この2つの言葉は、一緒に使うと意味の違いがさらに際立ちます。
「本日○○時にチケットが【発売】されます。全国のコンビニエンスストア等で【販売】いたします」
・発売=「よーいドン!で売り始めるよ」
・販売=「ここで買えるよ・この期間売っているよ」
マクドナルドとロッテでわかる!「発売」と「販売」の使い分け
身近なお店や商品を思い浮かべると、言葉の役割分担がもっとスッキリわかります。
・ロッテの「ビックリマンチョコ」は【発売】
ロッテのような「お菓子メーカー」の主役は、商品を企画・製造して「世の中(市場)に送り出すこと」です。
ロッテの視点:「明日から全国のコンビニに向けて、新作を【発売】するぞ!」(よーいドン!のスタート)
※そして、それを受け取ったセブンイレブンなどの店舗が、お客さんにむけて【販売】します。
・マクドナルドの新メニューは【販売】
対してマクドナルドは、自分たちの店舗のキッチンで作って、目の前のお客さんに「直接売る(提供する)」ビジネスです。
マクドナルドの視点:「明日から全国の店舗で、新しいハンバーガーを【販売】します!」(お客さんに売るという継続的なアクション)
現実には絶対にあり得ない例文
先ほど、『マクドナルドの新メニューは【販売】』とご紹介しましたが、下記のようなケースが万が一起こると、例文が変わります。
「マクドナルドが企画・製造した特製ハンバーガーを、ケンタッキーフライドチキンの店舗で売る」としたら……
・マクドナルドの役割 =【発売元】
「我々が開発した究極のハンバーガーを、ついに世に送り出します!(=発売)」
(マクドナルドはメーカーとして「商品を世に出すスタート」を切った)
・ケンタッキーの役割 =【販売元】
「マクドナルドさんが発売したハンバーガーを、今日からうちの店舗でお客様に売ります!(=販売)」
(ケンタッキーは小売店として「お客さんに売るアクション」を担当した)
まとめ
「マクドナルド」も「ケンタッキー」も、普段は自分たちで作って自分たちの店舗で売っている(=製造販売している)ので、普段のニュースでは「〇〇日から販売開始!」という言葉がよく使われます。
しかし、「メーカー(作る側)」と「小売店(売る側)」の役割をあえて別の会社に分けてみると、「世に出す=発売」「店頭で売る=販売」という境界線が信じられないくらいクッキリ見えてきます。
※りんごのイラスト/タワシ