義母の提案に隠された本音とは?
娘を出産して約1年が過ぎたころ、私は「そろそろ仕事を始めたい」と考えるようになりました。育児に慣れてきたとはいえ、毎日家にいるだけでは息が詰まってしまう感覚があったからです。そんなときに見つけたのが、託児所付きの仕事でした。
夫と一緒に託児所を見学し、「ここなら大丈夫」と納得した私たちは、仕事の面接と託児所の申し込みを済ませました。
ところが、仕事を始める前の月、車で30分ほどの義実家に遊びに行った際に「来月から仕事を始めるんです」と義母に伝えると、空気が一変。義母の顔がみるみる曇り、ため息混じりに「1歳で託児所なんて……孫ちゃんがかわいそう」「そんなに子どもと離れたいの? 普通は『もっと子どもと一緒にいたい』と思うものよ。あなたには失望したわ」と言ったのです。
その言葉を聞いた瞬間、頭の中が真っ白になりました。さらに義母は畳みかけるように、「ここに引っ越してきなさいよ。愛情のない母親と赤の他人に育てられるくらいなら私が面倒みるわ」と言うのです。「愛情のない母親」とまで言われ私はショックで言葉も出ません。
そもそも、義母は平日の大半をパートや趣味のコーラスに費やしており、家を空けることが多い人です。娘の世話など不可能なはず。私がどう反論しようか悩んでいると、ちょうど外出から戻った夫が会話に入ってきました。義母は味方を得ようと「あなたからも言ってよ。母親が働くなんて、子どもが不幸よね? ここに引っ越してくれば私が毎日孫ちゃんを見ててあげるから、働きたいなら引越してきなさい」と夫を煽ります。
すると夫は「母さん、自分のスケジュールを忘れたの? 月曜から金曜までパートと趣味で埋まっている母さんが、どうやって毎日娘を見るの?」「それに今近所の人から聞いたけど、母さんはいつも、老後は何としてでも息子夫婦を呼び戻すって近所の人に話してたらしいね。娘を使って僕たちに無理強いするのはやめてくれ」と、冷静に言いました。義母は、孫を心配するふりをして、実は自分の寂しさを解消するために、私の復職と同居を結びつけようとしていたのです。
夫の言葉に、顔を赤くして口をつぐむ義母。しかし「でもまだ1歳なのよ。仕事に出て子どもと離れようとするなんて○○さん(私)の愛情が薄いんだわ」と、ここでもまた私の「母としての愛情」を引き合いに出し、折れる様子がありません。
そこへ夫が「別に娘のことが嫌だから働くだなんてひと言も言ってないだろう。愛情不足だなんて適当なこと言うな! 母さんだって『家に籠ってて息が詰まるから』って趣味やらなんやらしてるじゃん。○○だけにそれを我慢させるのは違うだろ」とド正論をかまします。さすがの義母もぐうの音も出なかったようで、うろたえながら「そ、そう……よね……」と言って黙り込み、「でも子育てで手を抜くことがあったら、同居してもらいますからね!」と言い捨てたのでした。
あれから約2年が経ちますが、託児所は娘にとって大好きな場所になり、毎朝「今日は何して遊ぶの?」と目を輝かせています。義母もそれ以来、私の仕事や娘の託児について口を出すことは一切ありません。
母親としての愛情を自分勝手な物差しで低く見積もられたことや、自分の寂しさを埋めるという私欲のために、私たちの事情を悪意を持って利用しようとした義母の身勝手さには、とてもがっかりしました。義母のように他人にすがることなく、大切な人が自分らしく生きることを尊重し、共に喜び合える自立した人間でありたいと強く思った出来事でした。
著者:天野朋美/20代・ライター。おしゃべりが大好きな2歳のひとり娘を育てるママ。ライターをしながら平日はワンオペ育児中。映画鑑賞とカフェ巡りで、日々のストレスを発散している。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年12月)