もともと義姉との仲は悪くありませんでした。むしろ、私のことを妹のようにかわいがってくれていました。
それに、義姉は家計簿をつけたり、資産形成をしたりと、どちらかというと堅実なタイプ。見境なくブランド品を欲しがるような人ではありません。
だからこそ、突然の要求に私は戸惑ってしまったのです……。
うれしいはずの姪の誕生が…
結局、「お祝いは気持ちだけでいいから」という兄の言葉を信じて、私は勤めているショップで購入したベビー服と一緒に、1万円を包むことにしました。当時の私にとっては、決して小さくない金額です。それでも、義姉は納得しないかもしれない……そう思うと、気分が落ち込みました。
そんな私の様子に気づいて、「何かあったの?」と声をかけてきた母。私は迷いましたが、義姉に言われたことをすべて打ち明けることに。
母も驚いて、「本当にそんなことを言われたの?」と何度も確認してきました。私は義姉から送られてきたメッセージなどを見せ、まぎれもない事実であることを母に告げました。
すると母は「お母さんたちもお祝いを贈るから、あなたはそんなに気にしなくて大丈夫よ。素敵なベビー服なんだから、きっと喜んでくれるわ」とフォローしてくれたのでした。
姪との初対面!お祝いを渡すと…
ベビー服はかわいくラッピングをして、1万円は華やかなのし袋に包んで……いよいよ、姪と初めて会う日になりました。
ショップに勤める私は土日勤務のことが多く、平日にお邪魔することに。兄は仕事で、家には義姉と姪の2人だけ。少し不安もありましたが、早く姪に会いたくてそわそわしながら兄の家に向かいました。
義姉はいつも通り、にこやかに出迎えてくれました。私は簡単にあいさつをして、お祝いを手渡しました。
ブランドものの袋ではなかったので、受け取ってもらえないのではないかと心配していましたが、義姉はうれしそうに受け取ってくれました。
しかし、ホッとしたのもつかの間。早速包みを開けた義姉の表情が一変したのです。
「え? たったの1万円?」
そして、さらに義姉は続けました。
「初めての姪なのに? 1万円?」
「ベビー服もノーブランド?」
信じられない、とでも言いたげな表情で、私を見つめてきた義姉。その空気に耐えられなくなり、私は長居せずそそくさと兄の家を後にしました。
「意地悪された」と言い張る義姉
その日の夜、兄から電話がかかってきました。
「お前、うちの嫁に意地悪したのか……?」
突然そう言われて、私は意味がわかりませんでした。
兄によると、義姉はこう言っていたそうです。
「空っぽののし袋を渡された」
「前から苦手だと言っていたデザインのベビー服をわざと渡してきた」
私は驚いてしまいました。お金は何度も確認して袋に入れましたし、ベビー服も義姉がよく着ているワンピースと合わせられるようなデザインを選んだつもりでした。
兄も半信半疑だったようで、「……もう一度、嫁に確認してみる」と言って電話を切りました。
不自然に分厚いのし袋の中身
それから1カ月後――。
「家に来てほしい」と兄から連絡があり、私は両親と一緒に兄の家に向かいました。
リビングに通されてすぐ、私の両親は義姉に分厚いのし袋を手渡そうとしました。すると、義姉は「あ、出産祝いですか? ありがとうございます!」と言うやいなや、ひったくるようにして両親からのし袋を奪い、その場で中身をのぞいたのです。あまりに非常識な行動に、私は眉をひそめました。
しかし次の瞬間、義姉の顔色が変わりました。
「な、なんで、これが……」
義姉が取り落としたのし袋の中には現金ではなく、何枚もの写真が入っていたのです。それは、義姉が兄ではなく、別の男性と会っている様子を写したものでした。
兄は、私と義姉の話が食い違っていることに違和感を覚えたそうです。他にも、ここ最近、「母親にも息抜きが必要!」と言って、生まれて間もない姪を兄に任せて外出することも増えていたため、何かが怪しいと感じていたのだとか。
そこで、知人を通じて義姉の行動を調べてもらったところ、別の男性と頻繁に会っていることがわかったのです。
のし袋に入っていた写真は、兄が知人に依頼して撮影してもらったもの。義姉にバレないよう、実家に送ってもらっていたのです。その写真を見た両親は激怒。私への仕打ちに対するせめてもの報復として、あえてお祝いを装ったのし袋に忍ばせて持ってきたのでした。
「安月給な夫とはやっていけない! 子育てだって、思ったより大変だし、もう解放されたいのよ!」
開き直るように怒りをあらわにした義姉。
不倫といっても、義姉が相手にゾッコンな状態でした。義姉は不倫相手に貢ぐためのお金が必要だったのです。私にハイブランドのベビー服を要求してきたのも、換金率が高いからだったのでしょう。堅実だったはずの義姉を不倫が変えてしまったのです。
結局、兄夫婦は離婚することになりました。姪は兄が中心となって育てることになり、私や両親もできる範囲でサポートしています。
出産祝いは本来、赤ちゃんの誕生を祝う気持ちを形にしたもの。金額やブランドよりも、その気持ちを素直に受け取れる人でありたいと感じた出来事でした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。