食材によっては食中毒に!?保温調理の罠
SNSやテレビでよく紹介されているのが、スープジャーの保温力を活かした「保温調理」。食材と熱湯を入れておけば、持ち運んでいる間に火が通るという画期的な時短テクです。
ただ「何でも入れていい」というわけではありません。
生で食べられてすぐに火が通る野菜や豆腐、春雨などならOKですが、食材によっては食中毒のリスクが跳ね上がってしまうんです。
生肉は危ない!必ず「ひと煮立ち」させてから入れて

テレビで見て思わずヒヤッとしたのが「生のお肉をスープジャーに入れて余熱で火を通す」というレシピ。管理栄養士としては正直ちょっと心配です。
このレシピは、きっと何度も試作を重ねて、しっかり火が通っているかを確認して作られたはず。
でも、レシピより大きめに切ったり、冷たいお肉をたくさん入れたり、スープジャーが劣化していたり、ちょっと条件が変わるだけで食中毒のリスクがグンと上がってしまうんです。
というのも、生のお肉にはカンピロバクターやサルモネラ、O157などの食中毒菌がついています。これらをやっつけるには、中までしっかり火を通すのが鉄則!
もし中心部まで加熱できていなければ、菌が生きたまま体の中に入ってしまうかもしれません。せっかくの時短テクで体調を崩したら本末転倒ですよね。
食中毒を防ぐためにも、お肉を使うときはお鍋でグツグツと沸騰させてからスープジャーに移しましょう。
スープジャーに入れてはいけない「NG食材」

スープジャーはあくまで「温度を一定時間キープする容器」なので、傷みやすい食材を加熱せずに入れるのは危険。しっかり加熱しないと食中毒のリスクが上がってしまいます。
象印やサーモスなどの主要メーカーも、次の食材は生で入れないでくださいと注意喚起をしています。
- 肉・魚介類
- 乳製品(牛乳・生クリームなど)
- 卵
これらの食材を使いたい場合は、完全に火を通してから入れてくださいね。
出典:象印マホービン株式会社「よくある質問・入れてはいけないものを教えてください」
出典:サーモス「真空断熱スープジャー取扱説明書」
「朝作って夜食べる」はキケン!スープジャーのタイムリミット

「お弁当と一緒に夕食の分も作っておこう」と考える方もいるかもしれませんが、スープジャーは6時間がタイムリミット!朝7時に作ったら13時までには食べましょう。
理由は、中の温度が時間とともにどんどん下がっていくからです。
食中毒菌は30〜40℃くらいの温かい場所が大好きなので、中途半端にぬるくなると大はしゃぎで増殖してしまうんです。
メーカーも「6時間以内に食べるようにしてください」と推奨しています。この時間を超えたら、もったいないですが食べるのは控えてくださいね。
ひと手間で差がつく!保温力を高めるコツ

せっかくスープジャーを使っているのに、食べるころにはなぜか冷めている……なんて経験はありませんか?
そんな「残念(涙)」を防ぐために、ここでは保温力を高めるコツを2つご紹介します。
「予熱」でスープジャーを温める
保温性能を最大限に活かすには、事前に熱湯で温めておく「予熱」がカギ!
スープジャーが冷えたままだと、料理を入れたときに温度が急激に下がってしまいます。
あらかじめ熱湯を注いで2〜3分置き、本体をしっかり温めておきましょう。これだけで保温力が格段に上がりますよ。
火を止めたらすぐに入れる
料理はできるだけアツアツの状態で入れるのがおすすめ。
ぬるい状態で入れると食べるころには冷たくなってしまいます。しかも、中途半端に温かいと食中毒菌が活発に……。
しっかり沸騰させたら火を止めて、すぐスープジャーに移しましょう。
スープジャー“これだけ”は守って!
使い方を間違えると危ないスープジャーですが「お肉や魚、卵、乳製品はしっかり火を通す」「6時間以内に食べる」という基本さえ守れば大丈夫!
すぐできることばかりなので、明日のお弁当からぜひ取り入れてみてくださいね。