「長男の嫁の自覚が足りない」という義姉の言葉
結婚して5年。夫の実家とはずっと「うまくやろう」と思ってきた5年間でした。
義姉は夫の3歳上の姉で、独身のまま実家の近くに住んでいます。お義母さんとは毎週のように行き来していて、「この家のことは私が一番わかっている」という雰囲気がありました。
嫁いできた当初から、何かと引っかかることはありました。手土産を持っていけば「うちの近所にもっといいお店があるのに」。集まりの準備が少し遅れれば「お茶のひとつも出せないの? 長男の嫁なのに気が利かないわね」。そういう言い方が、5年ずっと続いていたのです。
決定的だったのは、妊娠を報告したときです。お義母さんは喜んでくれたのに、義姉は少し間を置いてから「……やっと、って感じね」と言ったのです。
しかし、義姉と会うのは年に数回、法事や集まりのときだけ。そのときだけ我慢すればいいやと、結局飲み込んでしまっていたのです。
義実家との久々の集まり
一周忌の段取りを決めるために義実家に集まったときのことです。私はこの日のために、引き出物の候補をいくつか調べてリストにまとめて持参していました。引き出物は女性陣で決めようと、お義母さんから声をかけてもらっていたからです。「参考になればと思って」とテーブルに出したとき、義姉の表情がすうっと冷えていきます。気を利かせたつもりだったのに——と思いました。
「こういうのはね、まず家族で相談してから動くものなの。あなたが一人で決めることじゃないでしょ」
「ほんとあなたって使えないわね。長男の嫁なんだからしっかりして」
義姉にこういうことを言われるのは、いつも夫がいない場面です。この日も夫は別の部屋にいると思っていました。胸がざわっとして一瞬言葉に詰まりましたが、この日ばかりはさすがに黙っていられなくて、口から言葉が出かかったそのときでした。
「おい! 姉貴! 今の言い方はないだろ!」
夫の声が部屋に響きました。
「……え?」と義姉が振り返ります。夫はいつになく真剣な顔で続けました。
「前から気になってたんだ。なんでそういうふうに言うんだよ」
義姉は何か言いかけて、そのまま黙ってしまいました。私は夫の言葉を聞いた瞬間、ずっと張りつめていたものがふっと緩んだ気がしました。今までの私の気持ちを知らなかった夫が、その場で迷わず動いてくれたことに救われた気持ちになったのです。
あとで夫に「聞いてたんだね」と聞いたら、「帰り道のお前が無口になるから……あと母さんからもちょっと聞いてた」と言われました。笑えない話なのに、少し笑ってしまいました。お義母さんも気にかけてくれていたんだと思ったら、なんだか胸があたたかくなりました。
それからは、義姉との間に夫が入ってくれるようになり、直接きつく言われることはなくなりました。あのころの私は、黙って耐えることが「いい嫁」だと思っていました。でも振り返れば、ただしんどかっただけです。早く夫に話していればよかった、と今は思っています。
著者:高橋和子/40代女性/息子2人の母。現在は地元のスーパーでパートとして働いている。趣味は週末のガーデニングと、わが子のようにかわいがっている愛犬との時間が日々の癒やし
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)