こんにちは。助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本です。夏の暑さに、バテてしまっているママや妊婦さんも多いのではないでしょうか? そんなママたちへ、おうちでラクにできる夏バテ解消法をご紹介します。
妊婦さんは隠れ夏バテの場合も
なんとなく体がだるく、疲れが取れにくい日が続く場合は夏バテの症状かもしれません。妊婦さんは普段から、妊娠によるホルモンバランスの変化で体調が不安定になっているので、夏バテの症状を見落としがちです。
自律神経の乱れによって消化器の機能も低下し、食欲が落ちます。体に必要なエネルギーやビタミンが不足することで、倦怠感・疲労感が強くなります。つわりとよく似ているので、気付かれにくいことがあります。また、妊婦さんや育児中のママは寝不足になっていることが多く、さらに助長されます。
胃腸の調子を整えよう
これだけは気を付けたいポイント
・温かい食べ物や飲み物を選ぶようにする(常温も可)
・水分補給でミネラルも補給(ノンカフェインのもの、常温の麦茶がおすすめ)
・胃腸に負担をかけない(消化が良く薄味、温かいもの)
・塩分や糖分は控えめにして、味の濃いものを避ける
簡単にできる食事のポイント
・ビタミンB1でスタミナをつける
特に豚肉はビタミンB1の含有量が多く価格もお手頃です。にんにく、にら、ネギなどと一緒に食べると吸収アップします。
・酸味で食欲アップ
酸味には消化液の分泌を高める働きがあります。梅干しは、クエン酸が豊富で疲労回復効果やカルシウムの吸収を高める効果があり、ミネラルの補給にも効果的です。
・ネバネバ食材で消化を助ける
納豆やオクラ・めかぶなどのネバネバ成分は胃や腸の粘膜保護の役割もあります。
・カリウムの多い食材で体のむくみをとる
なす、トマト、きゅうり、ゴーヤなどの夏野菜に多く含まれ、ナトリウム(塩分)を排出する働きがあります。
※2019年8月28日 内容の誤りを訂正
体を冷やしすぎないような工夫を
部屋の温度は25〜28度が理想。クーラーで冷やしすぎないように気を付けましょう。1時間に1回は5分程度外気にあたるようにしましょう。寒く感じたら、膝掛け・薄手のカーディガン・レッグウォーマーなどで調整しましょう。
冷えに気付かないこともあるので、時々首の後ろ・二の腕の後ろ・おなかなどに手をあててみましょう。各部位より手が冷たく、手のひらがじんわり温かくて「心地よい」と感じたら体が冷えているサインです。1日の終わりには、シャワーで済ませずに、可能であれば38〜40度のぬるま湯に浸かるようにしましょう。
妊婦さんにおすすめの簡単ケア・マッサージ
内ももをほぐす
体を温めたり、子宮を温めたりできると言われています。下半身の血流を上げることで冷え性やむくみの改善にもつながります。妊婦さんだけでなく冷えが気になるママにもおすすめです。
お風呂あがりに、あぐらになり足の付け根から膝のあたりまでの内ももを手のひらで圧迫します。痛みが出ない程度で手の付け根辺りを中心に圧迫していきます。じんわり温かくなってきたら終わりです。膝の裏は強く圧迫しないようにしましょう。
女性に大切なツボ「三陰交」を温める
「三陰交(さんいんこう)」とは、くるぶしより指4本分上のツボで、子宮にもつながっていて妊娠~産後にも重要なツボです。
なるべく三陰交を温めておくように夏場でも裸足は避け、三陰交のつぼを隠す長さのレギンスや靴下、レッグウォーマーをするなどしてみましょう。足浴でこのツボを温めるのも効果的です。湯船に浸かれないときなどは、大きめの洗面器やバケツに三陰交が浸かるぐらいのお湯を張り、バスチェアなどに座って足をお湯に入れ、シャンプーや洗顔をしながら足浴する方法は、簡単でおすすめです。
夏バテには睡眠や休息も必要ですが、日々忙しいママたちには難しいこともありますよね。日々の食事やちょっとした心がけで、夏バテを乗り切って行きましょう。
参考・引用文献
福田千晶 「夏に負けない身体をつくる ホントはコワイ夏バテ51の対策」(日東書院)
伊藤隆 他監修 「ココロとカラダの不調を改善する やさしい東洋医学」 (ナツメ社)