現れたのは…5歳の少女!?
取引先の社長から「実は今日、話があってね」と切り出された僕は、まさかの提案にあ然。
社長は「私の娘とお見合いをしてみないか?」と言うのです。動揺した僕ですが、「食事会だと思って頼む」とお願いされて、断り切れず承諾しました。
ところが当日……。指定された料亭で待っていたのは、なんと5歳くらいの女の子!
「き、きみが社長の娘さん!? お見合いって……どどど、どういうこと?」
僕が仰天していると、奥からひとりの女性が慌てた様子で現れました。
お見合いがつないだ思わぬ縁
「すみません! うちの娘がどうしてもあなたに会いたいと聞かなくて……。お見合いだなんて無理を言って申し訳ありません。いつも父がお世話になっております。A美と申します。そして、この子が娘のB子です」
するとB子ちゃんが、「私ははじめましてじゃないよ! 前にママの会社を見学していたとき、お兄さんに助けてもらったの。あのときはありがとう!」と笑顔で教えてくれました。それを聞き、僕の記憶もよみがえります。そういえば以前、取引先を訪問した際、階段から落ちそうになった小さな女の子をとっさに助けたことがあったのです。
さらに話していくうちに、A美さんとも思わぬ縁があることがわかりました。彼女は父親の会社で企画部長を務めており、以前、僕が担当した案件にもかかわっていたようなのです。
仕事の進め方や現場への向き合い方に共通点が多く、A美さんとの会話は驚くほど自然に弾みました。B子ちゃんも無邪気に話しかけてくれて、不思議と肩の力が抜けていきます。帰るころ、僕はまたこの二人に会いたいと素直に思っていました。
部長の横やりで混乱が広がり…
それから、僕たちはたまに食事や外出をするようになりました。A美さんと過ごす時間は穏やかで、B子ちゃんといると自然と笑顔になれます。ところが、その関係を快く思わない人物がいました。僕の上司である営業部長です。
ある日、部長は僕を呼び出すなり、「利害関係のある相手と私的に会うのは問題だろう」と一方的に言い放ちました。そして、部長の判断で、僕はA美さんの会社関連の担当から外されてしまったのです。部長の対応はあまりに唐突で、引き継ぎも不十分だったため、社内外に混乱が広がっていきました。
その後、担当を引き継いだ部長は数字ばかりを優先し、現場に無理を押しつけ始めました。「もっと生産コストを下げられるだろう」「納期を早めてくれ」と強引に進める姿勢に、周囲は振り回されていきます。その無理は、やがてあちこちでひずみを生み、社内でも不満の声が漏れ始めました。
そんな中で知ったのが、A美さんと部長の過去でした。二人は元夫婦で、A美さんは部長に深く傷つけられて離婚に至ったらしいのです。僕の中で、A美さんとB子ちゃんを守りたい、という気持ちが強くなっていきました。
ようやくつかんだ穏やかな未来
数カ月後、部長は自らの判断ミスで大きなトラブルを招きました。社内記録やメールのやりとりも残っていて、これまでの対応も問題視された結果、降格のうえ遠方への異動が決まったのです。こうして僕は、再びA美さんの会社の担当に戻ることになりました。
騒動が落ち着いたあと、僕はあらためてA美さんとB子ちゃんを食事に誘いました。二人は笑顔で応じてくれ、久しぶりに心から穏やかな時間を過ごせました。食事の終わりにB子ちゃんが「次はいつ会える?」とうれしそうに聞くと、A美さんは少し照れたように笑って、「よかったら今度、うちにもきませんか」と声をかけてくれて……。
そのひと言に背中を押され、僕はまっすぐA美さんを見て伝えました。
「今の気持ちをきちんと伝えたいです。よかったら、僕と真剣にお付き合いしてください」
A美さんは一瞬目を丸くしたあと、やわらかくほほえんで、「はい、こちらこそ」と答えてくれました。
あのときの出会いを振り返るたびに、人との縁は思いがけない形でつながっていくものなのだと実感しています。A美さんとB子ちゃんの笑顔を守っていけるよう、信頼を積み重ね、穏やかで温かな人生を築いていきたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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