母「あなたに1000万円」入院中の病室で遺産の話→大部屋だよ!?止めても語り続ける母に看護師が?

母が入院し、私は面会に通うようになりました。点滴につながれた姿を見るたび、胸の奥がぎゅっと締め付けられるようで、「早く元気になってほしい」その一心でした。ところが、母の口から出てくる話題は、私の想像とはまったく違うものだったのです。
ある日の面会、母は私の顔を見るなり少し身を乗り出して「ねぇ、あなたには1000万円ね。土地は欲しい?」「◯◯ちゃん(私の子ども)には、このくらいかな……」と遺産の話をし始めたのです。
しかも、ここは個室ではなく大部屋。他の患者さんや付き添いの人がいるというのに、母は声を潜めるどころか、普通の声量で金額まで具体的に話し続けるのです。「タンスの奥にダイヤの指輪があるでしょ? あれ、売ればお金になるから。あと通帳は……」と止まらない母。
私は「ちょっと! 誰が聞いてるか分からないから! やめなって!」と慌てて止めていました。
その後も面会に行くたび、母は同じように遺産の話を持ち出すのです。そのたびに私は「まだそんな話、聞きたくない」と思っていました。
そんなある日、 面会中にまた遺産の話が始まったのですが、看護師さんが笑顔で入ってきて「もうすぐ退院できますから、そんな先のこと考えなくて大丈夫ですよ〜」と笑いながら言ってくれたのです。母も少し照れたように笑い、それ以降、遺産の話はぴたりと出なくなりました。
無事に退院した母は、以前と変わらない日常に戻りました。そして、あれほど繰り返していた遺産の話をすることもなくなりました。
◇ ◇ ◇
あとになって、母は「自分の先が長くない」と思い込んでいたからこそ、残される私たちが後々困らないように、家族が揉めないように、必死に準備しようとしていたのだと気づきました。娘としては、正直まだ聞きたくなかったのですが、母は、自分の不安よりも子どもや孫の将来を心配してくれていた母の強さと愛を感じました。
著者:酒井かな/40代・女性・主婦。女の子2人のママ。趣味は音楽鑑賞。
イラスト:さくら
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
続いては、義父の残した遺産をめぐり、親族間の空気が一気に凍りついてしまった体験談です。十分にあるはずの遺産が、蓋を開けてみれば予想外の少なさ……。激怒する長男夫婦と落ち込む義母。
義父の通帳を整理したことによって後日判明した「消えたお金」の意外な行方とは?
義兄夫婦「遺産少なすぎ!」義父の遺産総額120万に激怒→通帳整理で発覚した消えた200万。実は?

義父が亡くなり、義母と夫と私、そして夫の兄夫婦で相続の話し合いをしたときのことです。義父は持ち家もあり、貯金もある程度あると聞いていたので、私たちもそれなりの金額を想像していました。
しかし実際に開示された遺産は、預金が約120万円のみだったのです。予想外の金額に義母も「こんなに少ないなんて……」と驚いていました。さらに、長男夫婦が「絶対におかしい! なんでこんなに少ないんだ!?」と声を荒げ、場の空気が一気に険悪になりました。
後日、義母が義父の通帳を整理していたところ、生前に義父が次男夫婦に住宅購入のため200万円を援助していたことが判明したのです。何も聞かされていなかった義母は「言ってくれればよかったのに……」と落ち込んでいました。そして、事情を知った長男夫婦も複雑な表情でした。
今回の出来事を通して、相続は蓋を開けてみるまで、実際にいくらあるのかわからないものだと感じました。
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最終的には、義母の希望で遺産は全額義母が引き継ぐ形になり、きょうだい間の争いは避けられました。この経験から、相続は事前の情報共有がいかに大切かを学びました。相続は、金額だけの問題ではなく、そこに絡む感情まで含めて考えなければならないと感じました。
著者:佐伯美穂/30代・女性・パート。男の子を育てる母。事務のパートとして働きながら、家事と育児を両立。
イラスト:さくら
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
お金が絡む相続問題は、時に家族の関係性を大きく揺るがすデリケートなテーマです。しかし、その根底には「残される家族を心配する親心」や「生前の知られざる事情」など、金額だけでは測れない家族のドラマが隠されていることも少なくありません。
とはいえ、事前のコミュニケーション不足が思わぬ誤解や不信感を招いてしまうのも事実。いざというときに慌てたり、大切な家族と揉めたりしないために。元気なうちから資産や希望を少しずつ共有し、日ごろからきちんとお金の話ができる関係性を築いておきたいですね。