義父母の態度が次第に冷たくなっていったのです。義実家は近く、頻繁に家に呼ばれるようになりました。そしてその度に掃除や洗濯、買い出し、食事の準備まで、ほとんど私ひとりが任されるようになったのです。
守ってくれない夫
義母は当然のように「若いんだから、ちゃんと動かないとね」と言いました。最初は、
「嫁いだんだから頑張らなきゃ」と思っていましたが、義母の嫌味は少しずつ増えていきました。
「気が利かないわね」
「こんなんじゃ先が思いやられるわ」
私は笑って受け流していましたが、心は少しずつ疲れていったのです。
ある日、義実家で食事の支度をしているとき、義母から立て続けに嫌味を言われ、つい感情があふれてしまいました。
「私、家政婦じゃありません」
その瞬間、部屋の空気が凍りつきました。義母はあきれたようにため息をつき、夫のほうを見ました。けれど夫は、目をそらしたまま何も言いませんでした。私はそのとき、夫は私を守ってくれないのだと痛感しました。
そして少しずつ、夫への気持ちも冷めていったのです。
突然旅行に誘われて
そんなある日、夫が珍しく「たまには二人で旅行でも行こうか」と言い出しました。
「もしかしたら、やり直せるかもしれない」と考えた私は少し悩んだ末、旅行へ行くことにしました。
当日、ホテルに到着してロビーへ向かうと、そこには義両親の姿がありました。
「え……どういうこと?」
混乱する私に、義母は
「家族旅行なんだから、親がいて当たり前でしょ?」
「あ、でも他人の部屋は予約してないから(笑)」
その言葉で、私はようやく状況を理解しました。
予約されていたのは、義両親も含めた4人同室の部屋だけ。
夫は困ったように笑いながら、「せっかく親も呼んであげたのに、嫌な顔しないでよ」と言いました。
その様子を見て、私はすべてを察しました。これは最初から、“夫婦旅行”ではなかったのです。私はショックと怒りでいっぱいになり、何も言えないままホテルを後にしました。
すべてがつながった瞬間
家に戻ってしばらくすると、ホテルから電話がかかってきました。
「本日のご予約について、確認したいことがありまして……」
話を聞き、私は驚きました。予約の代表者名には、私の名前が使われていたのです。
さらに、宿泊費の支払いには、私名義のクレジットカード情報が登録されていました。夫は以前から、家計用として夫も利用できる家族カードを登録していました。どうやら夫は、最初から私に宿泊費を負担させるつもりだったようでした。
ホテル側によると、私がホテルを去ったあと、夫たちはそのまま宿泊しようとしていたそうです。しかし、予約代表者である私が戻らず、宿泊者の説明も予約内容と食い違っていたため、ホテル側はトラブル防止のため予約をキャンセル扱いにしたと言います。
私は事情を説明しました。
「予約したのは私ではありません」
「宿泊しようとしていたのは、夫と義両親です」
するとホテル側は、状況を確認すると言いました。
私が選んだ道
その日、私は夫へと電話しました。
「ホテルから連絡があったよ」
「事情を説明したら、ホテル側も確認してくれるって」
しばらく沈黙が続いたあと、私は静かに伝えました。
「もう、この家に未練はないから。離婚しよう」
すると夫は慌てたように言いました。
「待ってくれ! 俺が悪かった……!」
けれど、もう遅かったのです。義母から言われたことや、これまでのやり取りは記録として残していました。最終的には話し合いの末、離婚が成立しました。今は一人で穏やかに暮らしています。
あの頃は、「我慢すればうまくいく」と思っていました。でも、本当に大切なのは、自分を大事にしてくれる環境に身を置くことだったのだと思います。
これからは、自分自身を大切にしながら、自分らしく生きていきたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。