子連れカフェでアクシデントが…
息子は騒ぐことなく静かにしていたのですが、ふいに手を伸ばしたその瞬間、ガチャンという乾いた音が店内に響き渡り、心臓が止まるかと思いました。見ると、ガラスの置物が倒れ、台座が欠けてしまっていました。
「すみません!」と反射的に声を上げ、店主の方に何度も何度も頭を下げました。弁償はもちろん覚悟していましたが、お店の静かな空気を壊してしまったことへの申し訳なさで、視界がじわじわ滲んでいきました。あのときの周りのお客さんの視線の痛さは、子育て中で一番のトラウマになったかもしれません。
そんな中、店主の方は「お客様、形あるものはいつか壊れるものだから、どうか気にしないでください」とやさしく言ってくださり、弁償を断ってくださいました。そのやさしさが逆に胸に刺さり、申し訳なさと感謝の気持ちが入り混じり、帰りに立ち寄ったスーパーの駐車場で、ハンドルに顔を伏せ、泣きそうになるのを必死に抑えました。
子どもがすることとはいえ、親としての責任の重さに押しつぶされそうになる夜もあります。しかし、窓の外の静かな住宅街を眺めながら、あのときの店主さんの慈愛に満ちた声を思い出すと、自分を律して頑張ろうと思えるのです。今日もその思い出を胸に、子育てを続けています。
著者:山中 彩音/30代女性・主婦
地方で、やんちゃ盛りの2歳児に振り回されながら奮闘中のママ。
作画:さくら
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)