「あれ? 真剣な話? 気配りじょうずって冗談かと思って茶化しちゃった……」
同僚は焦った様子で「仕事のときは気が利くなって思うこともあるよ!」とフォローを入れ、そのまま仕事に戻ってしまいました。その場に残された夫は、そそくさと逃げるように立ち去った同僚の様子が引っ掛かります……。
『え? 俺って気配りじょうずじゃないの?』
夫はそんな疑問を解消するため、由美さんと娘とともに週末の公園にやってきました。
自分を「気配りじょうず」だと信じている夫










『俺は気配りじょうずだ!』
そんな自信を胸に、公園へとやってきた夫。しかし、週末の公園は大混雑。どの遊具にもいろいろな年齢の子どもたちが集まっていて、危険だと思うような動きをする子も……。そんななか、幼い娘でも遊べそうなすべり台を見つけた夫は、さっそく娘を連れて行きました。
「私、下で待ってるね。大きい子も多いから、気をつけて」
由美さんはそう言って夫に娘を任せました。実際にすべり台の上に立った夫は、続々とすべっていく子どもたちを見ながら、娘がすべれそうなタイミングを見計らっています。順番が決まっているわけではないので、幼い娘をすべらせるのは簡単ではありません。
しばらく待っているとすべり台の端が空いたので、夫は娘の体を支えながら慎重にすべらせました。
「すべってるところの写真、撮ってあげような」
すべり台を楽しむ娘のかわいい姿に、スマホでの撮影にも力が入ります。しかし夢中になりすぎて、結局注意力散漫になってしまい、うしろから次の子が滑ってくることに気づかず娘を危険にさらしてしまうのでした。
◇ ◇ ◇
気配りの本質は、「してあげた」という意識ではなく、相手が何を必要としているかを先に感じ取ることではないでしょうか。今回の夫の場合、娘の安全よりも写真撮影に夢中になってしまったように、「自分がしたいこと」が先に来てしまっています。
同僚が「自虐ネタ」として受け取ったのも、無理はありませんね。
職場で気が利く人が、家庭では空回りしてしまう——
そのギャップは、家族への「慣れ」や「甘え」が生み出しているのかもしれません。
子育て中のパートナーへの気配りで一番大切なのは、派手なフォローよりも「普段の小さな注意」の積み重ねではないでしょうか。特に1歳半という時期は、子どもの行動が予測しづらく、目を離した一瞬が大きなけがにつながることもあります。
しているつもりの「気配り」が、本当に助けになっているかどうか。そこに目を向けることこそが、本当の意味での気配りへの第一歩なのかもしれませんね。
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ミント
