黒い文字が灰色に見えた日
最初は本当にささいな違和感でした。黒いはずの文字がくっきり見えず、どこか灰色っぽく感じるのです。数字も判別しづらく、「7」と「9」、「5」と「6」の区別を何度も見直すことが増えました。
決定的だったのは、エレベーターでの出来事です。「1階」の表示が「11階」に見えた瞬間、胸がざわつきました。さすがに「目がおかしいかもしれない」と思い、受診を決意しました。
白内障の診断、そして別の異変
検査の結果、まず告げられたのは「白内障」でした。白内障は、目の中でレンズの役割をしている水晶体が濁る病気で、視界がかすんだり、色がくすんで見えたりすることがあります。私の「黒が灰色に見える」という症状も、その影響によるものだと説明されました。
手術が必要とのことで、県内の医大病院に紹介され、当初は1日入院での手術予定でした。しかし、術前の詳しい検査で眼底出血が見つかりました。さらに精査した結果、医師から説明されたのは「糖尿病網膜症の初期段階」という診断でした。
長年放置していた糖尿病
私は以前、糖尿病と診断されたことがありました。けれど、痛みもかゆみもなく、自覚症状もほとんどなかったので、どこかで「まだ大丈夫」と軽く考えてしまっていたのです。
糖尿病性網膜症は、糖尿病によって網膜の血管が傷つき、出血やむくみが起こる病気で、初期の段階では自覚症状がほとんどありません。今回の眼底出血も、その影響によるものだと説明を受けました。
白内障手術の前に、まずは眼底の状態を安定させる必要があるとのことで、入院は約10日間に及ぶことになりました。予想外の展開に、正直なところ気持ちは大きく沈みました。しかし同時に、「ここで見つかってよかったのではないか」とも思ったのです。
見え方の改善と向き合う決意
白内障手術は無事に終わり、視界は以前よりも明るく、くっきりと感じられるようになりました。それと同時に、糖尿病の治療と血糖コントロールについても改めて向き合うことになりました。
医師からは、「今回の受診がなければ、糖尿病性網膜症がさらに進行していた可能性もあります」と言われました。その言葉が胸に残っています。
「自分の体のことを後回しにしていたのかもしれない」と。そう振り返ると、やるせない気持ちにもなりました。
まとめ
黒が灰色に見えたあの日の違和感は、私にとって大きな転機となりました。白内障の症状がきっかけで受診し、同時に長年向き合わずにいた糖尿病の合併症にも気付くことができました。あのときの受診が、これからの自分の健康と向き合う第一歩になったと感じています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修:倉員敏明先生(医療法人創光会くらかず眼科 理事長)
著者:木内そら/70代女性・パート
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)
※一部、AI生成画像を使用しています。
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