自転車に乗った子どもを注意すると、母親が…
小学生くらいのお子さんが、公園にある砂場の周辺を猛スピードで自転車を乗り回していました。幼い子どもたちのすぐそばをかすめるように走り抜けていくので、万が一ぶつかってしまったらと、見ていた私は心配でたまりません。
あまりにも危ないと感じたため、私はその子に「小さい子もいるから、ここでは自転車を降りようね」と声をかけました。怖がらせないよう、できるだけやさしく伝えたつもりです。
すると、近くのベンチでスマホを見ていた男の子の保護者らしき女性が、急いでこちらへ向かってきました。お母さんからも男の子に話してくれるのは助かるなと一瞬思ったのですが……矛先は私だったのです。
「ねぇ! うちの子の自由な感性を潰さないで! 教育方針に口を出さないでくれる?」などと、私にものすごい剣幕で怒鳴ってきたのです。
突然のことに驚きましたが、私までヒートアップしてはいけないと思い、自分を落ち着かせて「ここは小さいこがたくさん遊んでいますし、ぶつかると危ないですから」と理由を伝えました。しかし、彼女は「子どもが自由にできない公園のほうが悪い」といった主張を繰り返すばかりで、私の言葉はまったく届きません。
周囲にいたほかのママたちも、突然のトラブルに戸惑っている様子でした。話が通じないことに戸惑いと怖さを感じた私は、話し合うのを諦め、娘の手を引いて急いでその場を離れることにしました。
この出来事を振り返ると、あのとき無理にわかってもらおうとせず、すぐに公園を離れたのは正しい判断だったと今でも思います。ただ、娘の手を引きながら歩いたあの数分間、胸の中にはモヤモヤとした感情がずっと残っていました。「私は何か悪いことをしたのだろうか」と。
でも後日、その親子が別の場所でも同じようなトラブルを起こし、自治会から注意を受けたと聞いて、あのとき私が感じた「危険」は間違いではなかったと確信しました。価値観がまったく違う相手と出会ったとき、正面からぶつかることがすべてではない。わが子の安全を守ることが、親としていちばん大切な行動なのだと、この経験があらためて教えてくれました。
著者:外山香/20代女性/3歳の娘を育てている母親、会社員。趣味はドラマ鑑賞、サイクリング。
イラスト:きりぷち
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)