図々しかったママ友がおとなしくなった理由
幼稚園の送迎時、空が少しでも曇ってくると、あるママ友が私の車の横でソワソワし始めます。「うちの子も濡れたらかわいそうだし、ついででいいよね?」——後部座席には小1の上の子用のチャイルドシートがありましたが、彼女はそれをちゃっかりあてにして、返事を待たず乗り込んでくるのがいつものパターンでした。角が立つのを恐れて、ずっと愛想笑いで応じてきました。
本当は、雨の日の送迎はただでさえ大変なのに、よそのお子さんの世話まで気が回りません。車内が汚れることも、運転中に気を遣って話すことも、正直しんどいと感じていました。でも「ついでだよね」と笑顔で言われると断りづらく、また子どもは一緒に帰れることを喜ぶので、つい愛想笑いをしたりして受け入れていました。
ただ、「ついでだから」と笑顔で言われてしまうと、無下に断る理由が見つかりません。それに、ここで冷たく断って気まずくなり、子ども同士の関係にまで影響が出たらどうしようと思うと、つい愛想笑いで受け入れてしまっていたのです。
そんなある日のこと。お迎えの時間の曇り空を見て、彼女はいつものように私の車の助手席へ向かってきました。しかしその日は運悪く、実家から届いたばかりの大量の完熟トマトを段ボールに入れ、助手席の足元に積んでいました。「足元が狭くてごめんね」と私が言い終わるより早く、彼女は「大丈夫、私コンパクトだから!」と笑い、勢いよく座席に乗り込みます。
無事に園に到着し、彼女が車から降りようとした瞬間でした。お尻の下から「グチャッ」という嫌な音が響いたのです。
驚いて見てみると、段ボールから一玉だけ座席に転がり出ていた超完熟トマトを、彼女の白いスカートで見事に潰してしまっていました。真っ赤に染まったスカートを見て、「私、ケチャップ職人になれそう」と自虐気味に笑う彼女。私も本当に申し訳なく思い、平謝りするしかありませんでした。
ところが、この出来事が思わぬ転機となります。
それ以来、雨の日になっても「今日はトマトが怖いから歩くわね」と冗談めかして言って、彼女が私の車に乗ってくることはなくなりました。結果的に、私のもとに気兼ねなく送迎できる平和な時間が戻ってきたのです。
思いがけないハプニングが、ちょうどよい距離感をくれました。今では園で顔を合わせれば気軽に世間話ができる、さっぱりとした関係です。少し距離を置いたほうがうまくいく関係もある、と今では心が軽くなっています。
著者:松下弥生/20代女性/小1と3歳のきょうだいを育てている母親、パート勤務。
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)
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