「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回はお食い初めに関するご相談です。
Q.お食い初めを簡易的におこなうには何を準備したらいいでしょうか?
うちの子は生後3カ月です。お食い初めを自宅でおこなうことになりました。用意する食材にそれぞれ意味があることはわかりましたが、鯛を用意できません。簡易的におこなうには、最低限何を用意してあげればよいのでしょうか?
榎本美紀助産師からの回答
お食い初めはお祝いなので、食材は何でも良いと思いますよ。質問者さんがおっしゃるとおり、食材にはさまざまな意味が込められていますが、お子さんの健やかな成長をお祝いしたい気持ちがあれば、十分だと思います。ご家族のお食事を食べるまねをさせてお食い初めにしたという方もいますよ。ちなみに、わが家ではスーパーマーケットの魚売り場の方に相談したら塩焼きの鯛を予約できました。ネットなどでもセットで販売していますよ。
※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー
※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください
お食い初めで用意するもの、使う道具やルールについて
最近は簡易的にあるもので済せることも多いようですが、お食い初め専用のさまざまな道具や食器があります。必要かどうかを家族と相談しながら、準備していくといいでしょう。
歯固めの石
お食い初めで特徴的なものは「歯固めの石」です。これは、歯は健康をつかさどる部位であり、強く固い歯になればたくさんの栄養を摂れるようになります。だからこそ、昔から赤ちゃんに歯が生えてくると、一族でお祈りをしてきました。
歯固めの石は「赤ちゃんの歯が丈夫に育つように」という願いをこめるためと言われています。歯固めの石はお宮参りに行った際、神社から借りるかまたは頂いたり、家の近くに河原がある場合はその河原にある石を使ったり、通信販売などでお食い初め用の石を購入するなどさまざまな形で用意することができます。神社の石を借りるまたは頂く場合は、事前に神社に必ず確認をしてから持ち帰るようにしましょう。河原の石を使う場合はきれいに洗ってから使うのが良いでしょう。
歯固めの石を自分で用意する際、特に色や形について決まりは設けられていません。黒くて丸い石が定番ではあるものの「見た目が美しいから」という以上の理由はないケースがほとんどです。歯になぞらえて白っぽい石や、四角い石を用意しても大丈夫です。ただし、持ち歩きがたいへんにならないよう、小石にしておきましょう。個数は1、2個にしておくのが一般的です。
祝い箸
歯固めの石と同じく、お食い初めで大切な役割を果たす道具が「祝い箸」です。祝い箸はお食い初めのような「お祝い膳」のために用いられる箸です。祝い箸は「末広がりの八寸」と呼ばれる形状をしており、丸みを帯びながらも両端が細くなっているのが特徴です。日本や中国では、末広がりの形は「どんどん豊かになっていく」との意味があるため、祝い箸はこうしたデザインとなりました。由来がきちんとあるので、お食い初めでは末広がりの祝い箸をそろえておくとよさそうです。
祝い箸も家に置いていなかった場合はお店で買うことも可能です。食器の老舗や百貨店などでは、祝い箸の専門コーナーを設けていることも多く、質の高い商品が手に入ります。祝い箸は普通の箸と違い、中央部分を持って使います。そして、先端から1寸、つまり約3cmのみを用いて食べ物をつまむのがルールです。なお、両端とも細くなっているのは、神様にも使ってもらうためなので、お食い初めで使うときは片側だけを使うようにすると良いそうです。
お祝い膳
お食い初めではお祝い膳を用意します。お祝い膳は地方や家系によって異なるものの、「穀物」「海産物」「山の恵み」「飲み物」「塩」を取りそろえることです。これは、赤ちゃんが一生食べ物に困らないようにとの意味があります。お祝い膳ではめでたい食材で料理を作るので、赤飯、鯛、はまぐりのお吸い物や紅白の煮物などが有名メニューです。なお「塩」のかわりに「お漬物」を用意するケースが大半のようです。
これらの食材に特別感を加えるため、お食い初めでは敷き紙や紅白紙などが多く用いられています。見た目をよくするには敷き葉を使ってみるのも効果的でしょう。日本のお祝い事では大活躍する飾り紐をそえてメニューを出す家庭も少なくありません。飾り紐はわざわざ作らなくても、ご祝儀袋についているものをとって流用すると効率的です。なお、これらのメニューを作ったり、飾り付けをしたりする時間がとれないときには通信販売で用意したり、専門の業者に準備をお願いする方法もあります。
お食い初めの流れや注意点
お食い初めに必要な道具がそろい、会場や日程が決まったらいよいよ本番となります。お食い初めでは事前に「食べさせ役」を決めておきましょう。食べさせ役は、その場で一番長生きしている方がおこなうのが一般的なので、ご両親が出席されている場合は、赤ちゃんが男の子なら祖父に、女の子なら祖母に食べさせ役を頼みます。一番長生きしている方がおこなう理由は、長寿にもあやかるという意味があるそうです。
食べさせ役は儀式中、赤ちゃんを膝の上に乗せて食べ物を運ぶ役割を担います。ただし、事情がある過程では食べさせ役を両親が担ったり、赤ちゃんと性別の異なる祖父母が食べさせたりしても大きな問題はありません。
お食い初めの食べさせる順番
一般的にお食い初めでは次のように、食べさせる順番は決まっています。
「ご飯」
↓
「お吸い物」
↓
「ご飯」
↓
「お魚」
↓
「ご飯」
↓
「お吸い物」
の順です。ただし、実際には赤ちゃんがまだ料理を食べられない時期のため、あくまで「まね」だけとなります。祝い箸で料理をつまみ、赤ちゃんの口につければ「お食い初めを終えた」こととなります。
また、お食い初めでは「歯固めの儀式」も食べさせ役の方におこなってもらいます。
歯固めの儀式
祝い箸で歯固めの石に軽く触れる
↓
赤ちゃんの歯茎を同じ箸でやさしく触れる
この儀式には「丈夫な歯が生えてほしい」との思いが込められています。お食い初め自体は以上で終了です。その後、記念撮影をしたり、大人たちで料理を食べたりして楽しく過ごします。
注意点
お食い初めの注意点としては、家ごとの風習を確認しておくことです。それぞれの家で方法が違う場合も考えられます。料理や衣装など、家柄ごとにお食い初めの決まりは受け継がれていることが多いので、出席者が気持ちよくお食い初めを過ごしてもらうためにも、内容のすり合わせはおこなっておいたほうがよいでしょう。
※参考:基礎知識(ベビー)「お食い初めのやり方は? いつする? 料理のメニューやお祝いの時の服装について」
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