ひとつだけ軽い香典袋…中身は?
中にはお金は入っておらず、代わりに一通の手紙が入っていたのです。
差出人は、祖父の古い友人でした。高齢のためどうしても参列できず、知人にこの手紙を託したとのこと。そこには、若いころに祖父とともに苦労した日々や、助けられた思い出が丁寧につづられており、最後には「本来なら直接お別れを言いたかった」と記されていました。
私はその手紙を家族に見せました。すると皆、静かに涙を流しながら読み、「こんなにも祖父のことを想ってくれている人がいたんだね」と、しみじみ語り合ったのです。
金額の多い少ないではなく、そこに込められた気持ちの深さに胸を打たれた瞬間でした。香典というとお金のやり取りという印象がありましたが、この出来事を通して、本当に大切なのは故人を想う心なのだと深く感じました。今でもあの手紙の内容は、忘れられない記憶として心に残っています。
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人が亡くなった場面では、どうしても香典の金額や形式に意識が向きがちですが、本当に心に残るのは、故人を想って寄せられた気持ちそのものなのかもしれません。
故人がどんなふうに人と関わり、どんな存在だったのかをあらためて知ることが、悲しみの中で心を支えてくれることもあるのではないでしょうか。お別れの形はひとつではないからこそ、形式だけにとらわれず、故人を偲ぶ気持ちを大切にしたいですね。
著者:高田みさき/30代 女性・会社員。小学2年の男の子を育てる母。趣味は旅行。
イラスト:ホッター
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)