パン好きが高じた「試食めぐり」の日々
そのころの私は、いろいろな店のパンを食べ比べることに喜びを感じていました。試食が用意されていると、つい一つだけでなく、いくつも手に取ってしまうこともありました。
今振り返ると少し行き過ぎていたかもしれませんが、当時はそれが当たり前の楽しみになっていたのです。
老舗デパートで起きた思い込みの失敗
ある日、家族4人で少し格式のある老舗のデパートへ出かけました。いつものようにパンコーナーへ足を運び、並んでいる商品を眺めていたときのことです。
カットされた状態のパンが目に入りました。その瞬間、私は深く考えることもなく「試食だ」と思い込み、迷いなく手に取り、そのまま口に運んでしまいました。しかし、次の瞬間、店員の方が驚いた表情で声をかけてきました。
「失礼ですが、お客さま……それは商品なのですが……」
そのひと言で、ようやく自分の勘違いに気付きました。
その場の空気と、家族の反応
場の空気が一気に変わり、私は何も言えなくなりました。妻がすぐに対応し、そのパンの代金を支払ってくれました。私たちはその場を足早に離れ、そのままデパートを後にしました。幸い周囲に人はほとんどいませんでしたが、それでも恥ずかしさは消えず、しばらく頭から離れませんでした。
帰宅後も、家族からは厳しい言葉をかけられ、自分の軽率な行動を強く反省することになりました。
まとめ
それ以来、私は「思い込みの怖さ」を強く意識するようになりました。カットされているからといって試食とは限らないというごく当たり前のことを、身をもって学んだ出来事です。あの日のことを思い出すたびに、確認することの大切さを改めて感じています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:雪田龍司/60代男性・無職
イラスト:sawawa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)
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