ある夜、妻のマミは自宅前で夫・リュウが見知らぬ女性と抱き合う姿を目撃します。後日、「同僚の家で宅飲みをする」と嘘をつく夫を車で送り届けると、そこには先日の女性・モモの姿がありました。夫はモモを「同僚の奥さん」と紹介しますが、マミは静かに激怒し、2人をメチャクチャにすると決意します。
証拠を掴むため、マミはモモを自宅に宿泊させます。「もしかして付き合ってる?」と直球で揺さぶり、さらにベビーモニターで2人のキスの録画に成功。決定的な証拠を手にしたマミは、「とことんやってやる」と冷たい決意を固めました。
その後、モモは「旦那さんが浮気してたらどうするタイプですかぁ?」と煽りますが、マミは動じません。寝る場所の割り当てにしどろもどろになるリュウを、マミは呆れて「もう好きにして」と突き放します。
次の週末、モモの家に招待された夫に割り込んで同行したマミは、モモから「離婚した」と告げられます。驚いてみせるリュウの態度は、マミには茶番にしか見えません。さらにマミは、モモが出会い系アプリで多数の男性と遊んでおり、夫は彼女にとって「イケナイ恋の一つ」で、夫だけが本気で片思いしているのだと悟りました。
食事が終わるころ、突然マミの父が差し入れを持って現れ、飲み会に参加します。居心地の悪いリュウを、父は体調を気遣うふりをしてタクシーで強制的に帰宅させます。残されたモモは酔って父の誘導尋問に乗り、リュウとの親密な関係をうれしそうに暴露。慌てて冗談だと誤魔化しますが、父は密かに会話を録音し、不倫の証拠を確実に押さえていました。必要な情報を引き出し終えた父は帰宅し、後にはマミとモモの二人だけが残されます。実はマミには、確かめたいことがあったのです。
ベビーモニターの映像でリュウとモモの密談を知ったマミは、モモを巧みにおだてて寝室へ誘い込み、ベッドの下に隠された「Ryu♡Momo」のペアマグカップを発見しました。言い訳するモモを泳がせつつ、マミは証拠写真を撮影。笑顔を装ったままリュウに写真を送りつけ、モモの家を出ました。
帰宅後、鍵がないことに気づいたマミ。けれどもインターホンを鳴らしてもリュウは出てきません。やむを得ずマミは再度モモの家に行き、泊めてもらうことに。リュウがモモに連絡をしてくるかもしれない、と思ったのです……。
私が冷静さを失ってしまったワケ



















自宅の前に到着した私は、鍵をリュウに渡してしまっていたことに気がつきました。インターホンを鳴らしても家の中からは何の反応もありません。もしかしてマミの送ったLINEを見て、家から逃げ出したのではないか――そんな疑念が頭をよぎります。
締め出されてしまったマミは、モモの家へ向かい、事情を話して泊めてほしいと頼み込みました。モモは戸惑いつつもマミを部屋に入れました。実家に頼るべきだったかとも考えましたマミでしたが、両親は「ヨウスケのことはこっちに任せて、今はちゃんと動きなさい」と後押ししてくれているのです。
暗い部屋でモモが眠りにつく中、マミは一人起きていました。もしあのLINEを見たリュウがモモに連絡をしてくれば、むしろ好都合だ。そう考えていた矢先、モモのスマホが鳴り響きました。着信画面に表示された「リュウさん」の文字を見て飛び起きるモモから、マミはスマホをひったくるように奪い取りました。
「もしもし!?何してんの!?」
電話の向こうのリュウは、誰が電話に出たのかと戸惑いつつも、酔っ払って腹痛を起こし、家の近くの公園の花壇で寝ていたなどと呆れた言い訳を並べ立てました。マミはその言葉を遮り、本題を突きつけます。
「てかLINE見た? あれは何なのかちゃんと説明してもらうから!」
しかし、リュウは「え……LINE?」と素っ頓狂な声をあげます。怒りと呆れで頭が沸騰しそうになる中、マミはさらに追撃をかけました。隣で引きつった顔をしているモモにもはっきりと聞こえるように、決定的な事実を突きつけます。
「モモちゃんは『元旦那が〜』なんて言ってたけど、嘘だって知ってるからね!」
マミはまだ切り込むつもりはなかったのに、思わず言ってしまったのです。マミは
「また話す」と言って、帰宅するのでした。
◇ ◇ ◇
よりによって夫の浮気相手の部屋に転がり込んだマミ。翌朝、音信不通の夫から浮気相手に連絡があった――その事実だけで心が乱れるのも無理はありません。思わず声を荒らげてしまったのは、積み重なった違和感が限界に達した証しなのではないでしょうか。そんななか、最終的に毅然とした態度で立ち去った彼女の姿には、たくましさを感じます。完璧でなくても、立ち向かっている限り、人は少しずつ前へ進めるのかもしれませんね。
みなさんなら、傷つきながらでも、自分のために一歩を踏み出そうと思いますか?
きりぷち