出張中、私は毎日夫から送られてくる娘の写真を楽しみにしていました。食事の様子や公園で遊ぶ姿など、簡単なコメント付きで送られてきたため、「忙しい中でもきちんと見てくれているんだ」と安心していたのです。
ある日、久しぶりに声を聞きたくなり、夫に電話をかけて娘に代わってほしいと頼みました。しかし、夫はなぜか歯切れの悪い返事ばかり。
不審に思って問い詰めると、ようやく「仕事が忙しくて世話ができず、義実家に預けている」「写真も母さんが撮って送ってくれたもの」と打ち明けられました。
驚きはしましたが、義実家であれば安心だと考え、その日は深く追及しませんでした。ただ、少しでも早く帰国して娘に会いたいという気持ちは、より強くなっていったのです。
「母親失格」と罵られて…
予定よりも業務が早く終わり、私は5日ほど前倒しで帰国することになりました。娘に会えるうれしさで胸がいっぱいのまま、すぐに義母へ連絡を入れたのですが――。
返ってきたのは、予想外の言葉でした。
「今さら何しに来るの? 子どもを捨てた母親なんていらないわ!」
「あんたは母親失格よ!」
あまりにも強い口調に、私は言葉を失いました。
事情を説明しようとしましたが、「言い訳は聞きたくない」と取り合ってもらえません。話を聞くうちに、夫が「私が突然家出した」と義母に伝えていたことがわかりました。
さらに、私から義母への連絡もほとんどなかったことで、「本当に娘を放置した母親」と思い込まれてしまっていたのです。
どれだけ説明しても信じてもらえず、「孫は渡さない」と一方的に電話を切られてしまったのです。
夫の身勝手な嘘
どうすることもできないまま、私は直接義実家へ向かいました。しかし、インターホン越しに拒絶され、家の中に入れてもらえません。
途方に暮れた私は、その足で夫の職場へ向かうことに。突然現れた私を見て、夫は明らかに動揺していました。状況を問いただすと、ようやく本当のことを話し始めたのです。
夫は、私の出張が決まったとき「久しぶりに自由な時間ができる」と軽く考えていたそうです。飲み会や友人との旅行など、予定をいくつも入れていたといいます。
しかし、急きょ娘と2人で過ごすことになり、思い描いていた生活ができなくなったことに不満を感じた夫は、義実家に預けることを選びました。そして、その際に「妻が急に出ていった」と嘘をつき、長期間預かってもらう口実にしたのです。
あまりにも身勝手で軽率な行動に、私は怒りを通り越してあきれてしまいました。
育児と息抜きのバランス
このままでは娘に会えないため、私は夫に義母へ正しい説明をするよう強く求めました。
その日は夫の業務が終わるのを待ち、改めて2人で義実家へ。義母に夫が真実を話したことで誤解は解け、ようやく私は娘と再会することができたのです。
義母は真実を知って深く反省し、「きちんと話してくれればよかったのに」と夫を厳しく叱り、私にも丁寧に謝罪してくれました。
帰宅後、私たちは改めて話し合いの場を設けることに。
子育ての中で息抜きが必要なことは、私も理解しています。しかし、今回のように嘘で自由時間を作り出すことは決して許されるものではありません。
これからは、お互いに正直な気持ちを伝え合い、無理のない形で協力していくことを約束しました。
小さな嘘でも、積み重なれば大きな誤解を生み、信頼関係を壊してしまいます。家族だからこそ、きちんと向き合うこと――その重要性を改めて実感した出来事でした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。