ある日、体育の授業で、4人組を作らなければならないときのこと。すでに4人揃っているカイトくんたちのグループに、ゆめくんは「俺も入りたい!」と大騒ぎ。騒ぎを聞きつけた先生は、なんと元いた友達を追い出してゆめくんをねじ込んでしまいました。
思い通りにグループに入れたにもかかわらず、ゆめくんは帰宅するなり「仲間に入れてもらえなかった!」とお母さんに訴えます。一方、カイトくんもあまりの理不尽な状況に腹を立て、家でグチをこぼしていました。話を聞いたカイトくんのお母さんが「先生に言おうか?」と提案するも、カイトくんは「面倒だし、自分で言うからいい」と冷静な大人の対応を見せました。
精神的に自立していくカイトくんと、思い通りにならないと泣き喚くゆめくん。対照的な2人の姿に、カイトくんのお母さんは「なぜゆめくんはカイトに執着するのか?」と拭いきれない疑問を抱いていました。
「ちゃんとルールを守る」と約束したのに……





















後日、カイトくんたちがサッカーをしていると、ゆめくんが「入れて」とやってきます。「ちゃんとルールを守るなら」という条件でカイトくんたちは受け入れますが、少し経つとゆめくんは「なんで俺にだけパスしてくんないの!?」と怒り始めました。
カイトくんや友だちが「いい場所にいないと回ってこないよ」「前に出すぎなんだよ」と論理的に説明しても、ゆめくんは「俺がサッカー習ってないからだろ!先生に言うから!」と被害妄想を爆発させ、まったく聞く耳を持ちません。
そして帰りの会。先生は、昼休みにサッカーをしていた男子全員を立たせました。みんなが「仲間外れにしてない!」と反論するも、先生は「わざとじゃなくても誰かひとりにパスをしないのは許しません。平等にボールに触れるように」と的外れな説教を始めます。理不尽な言葉を並べる先生の後ろで、ゆめくんは“にやり”と不敵な笑みを浮かべるのでした。
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「みんなで平等に」という先生の言葉は一見正しいように聞こえますが、事実確認を怠り、一方の言い分だけを鵜呑みにすることは、結果的に「大騒ぎすれば思い通りになる」という間違った成功体験を与えてしまいかねません。
子ども同士のトラブルが起きたとき、大人はつい「被害を訴える子」をかばい、表面的な解決を急いでしまいがちです。しかし、どちらか一方を頭ごなしに否定するのではなく、まずは双方の主張をフラットに聞き入れる。そんな、事実を客観的に見極める冷静な姿勢も大切にしたいですね。
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神谷もち