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「薬が喉に引っかかった」耳鼻科のファイバースコープに映っていた予期せぬ結果とは【医師監修】

ひどいせきが続く風邪で寝込んだ後、飲み慣れたビタミン剤が喉に引っかかったことから、これまで考えもしなかった怖い体験をしました。薬が喉に留まることで起こる症状への恐怖だけでなく、飲み込む力の低下や口の中の渇きなど、年齢を感じずにはいられない体の変化についても考えさせられた出来事をお話しします。【医師解説あり】

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師高島雅之先生

日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本睡眠学会専門医。金沢医科大学医学部卒業。金沢医科大学耳鼻咽喉科で講師を務めたのち、2006年に開院。「病気の状態や経過について可能な範囲でわかりやすく説明する」ことをモットーに地域医療に従事。『宇都宮睡眠呼吸センター』を併設し睡眠医療にも携わる。
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ビタミン剤が喉に引っかかった!

先日、38度の発熱と腹筋が痛くなるほどのひどいせきが続き、4日間寝込みました。すぐに内科を受診して、インフルエンザと新型コロナの検査をしましたが、どちらも陰性。風邪と診断されて解熱剤とせき止めを処方してもらいました。

 

全国的に空気が乾燥していることがニュースでも取り上げられていた時期でしたが、家の加湿器は壊れていて使えず、室内はカラカラ。湿度が40%を切っていることもあり、口も喉も乾燥ぎみで、それもせきが止まらない原因の一つのようでした。

 

熱が下がって数日たったある日のことです。夕食後、処方された薬を飲んでから、毎日服用している口内炎予防のビタミン剤を1粒飲もうとすると、錠剤が喉に引っかかる感じがしました。慌てて水をごくごくと飲んでみましたが、錠剤が動く感覚はあったものの、つかえた違和感は消えませんでした。

 

「でも、ビタミン剤だからそのうち溶けてなくなるのでは?」と軽く考えた私は、あまり気にせずその日は寝てしまいました。

 

翌朝も続く喉の違和感

翌朝起きても、喉の違和感は消えていませんでした。「ここに錠剤がある」と外側から指し示すことができるほど、その違和感ははっきりしていました。私は急に心配になって、スマホで「薬が喉に引っかかって取れない」と検索してみました。

 

すると、「喉の粘膜が乾いているときや、加齢などで嚥下機能が低下することで、引っかかりやすくなる」と書かれていました。普段私は1粒くらいの錠剤であれば、水なしでも飲み込めるくらいなので、状況的に理由はまさしく前者。

そして、薬が引っかかりやすい場所を表した図を見ると、私の場合、気管の入り口にある「喉頭蓋(こうとうがい)」という場所に引っ掛かっているらしいことがわかりました。

 

「喉頭蓋」の写真を見ると、花びらのような出っ張りがあり、その手前(舌側)には「喉頭蓋谷(こうとうがいこく)」というくぼみがあります。このくぼみに薬が引っかかっている写真が何枚も出てきました。

 

対処法は「たくさんの水で流し込む、ご飯などを少し飲み込む」と書いてありましたが、それは昨晩実践済み。このまま薬が喉に残っていると、「その部分に傷や潰瘍(粘膜や皮膚の表面が深く削れてしまった状態)ができる可能性がある」と怖いことが書かれていたので、私は青ざめました。

 

 

ファイバースコープに映っていたのは?

翌日、まだ喉に違和感が残っていた私は耳鼻咽喉科を受診しました。問診の後、医師は鼻から細いファイバースコープを入れて喉の写真を数枚撮影すると、それを私に見せながら、説明してくれました。

 

結論「薬はなかった」ということ。違和感のある場所には、薬ではなく、代わりに潰瘍が見つかったのです。医師が撮影してくれた写真には、前日に何度もスマホ検索で見た「喉頭蓋」が映し出されていました。その出っ張りの中心に白いこけのような潰瘍が見えました。

 

医師によると「これがビタミン剤が引っ掛かったことでできた潰瘍なのかどうかはわからないものの、ビタミン剤の刺激で潰瘍ができるとは考えにくい」という話でした。

 

その日は抗生物質と炎症止めの薬を処方されて帰宅。1週間後の再診では、潰瘍があまり改善されていなかったため、抗生物質を変えてさらに1週間様子を見ることに。その後、潰瘍が小さくなっているのを確認して、もう1週間だけ同じ薬を飲み続け、3週間かかってようやく喉の違和感は消えました。

 

まとめ

喉をファイバースコープで見てもらったら「あぁ、ありましたよ!」と薬が見つかり、それを取り除いてもらいさえすれば一件落着だろうと甘く見ていた私。「薬はない」と言われたときには、狐につままれたような気分でした。

 

自分ではたしかに喉に引っかかった感覚があったので、真相が謎に包まれたままなのは少しモヤッとしますが、代わりに喉に残った潰瘍は、私の体が少しずつ変化しているサインだったのかもしれません。

 

いずれにせよ、飲み慣れた薬であっても、思いもかけず大事に至ることがあると痛感した出来事でした。これから年齢とともに唾液の量は減り、口や喉が乾きやすくなると聞くので、気を付けていきたいと思います。

 

高島先生からのアドバイス

特に50代以降は唾液の分泌量が減りやすく、日常の何げない習慣が違和感の引き金になることも少なくありません。薬が喉に引っかかる原因と、安全に服用するためのポイントを解説します。

 

「喉の乾燥」が引き金に

50代以降は唾液の分泌が徐々に減り、喉の粘膜が乾燥しやすくなります。特に風邪や空調で喉が荒れているときは、潤滑油となる水分が不足しているため、飲み慣れた薬でも粘膜にピタッと張り付いてしまう「薬剤性食道炎(または喉頭潰瘍)」のリスクが高まります。

 

喉に違和感があるときのサイン

「薬が引っかかった」という感覚の後に痛みが続く場合、すでに粘膜が傷つき、炎症や潰瘍が起きている可能性があります。放置すると炎症が広がることもあるため、数日たっても違和感が消えない場合は、早めにファイバースコープ検査ができる耳鼻咽喉科を受診することが推奨されます。

 

安全に服用するための「200ml」の習慣

薬を飲む際は、まずひと口の水を飲んで喉を十分に湿らせてから、コップ1杯(約200ml)の水で流し込むのが理想的です。また、寝る直前に薬を飲むと重力の助けを借りられず、喉や食道に留まりやすくなるため、服用後30分ほどは横にならないように意識しましょう。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

監修:高島雅之先生(たかしま耳鼻咽喉科院長)

著者:あらた繭子/50代女性。1999年生まれの息子と2005年生まれの娘をもつフリーライター。長年にわたる無茶な仕事ぶりがたたり、満身創痍の身体にムチを打つ毎日。目下の癒やしは休日のガーデニングと深夜のKPOP動画視聴。

イラスト:sawawa

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)

 

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