理不尽な入店拒否と、大将の冷淡な態度
その日、僕は日頃からひいきにしている高級寿司店を予約しており、後輩女性に先に店へ向かってもらっていました。しかし、僕が少し遅れて店に到着すると、入り口付近で何やら揉めごとが起きている様子でした。
目をやると、そこには困惑した表情の後輩の姿が。ワケを聞くと、駅から店に向かう途中で急な通り雨に見舞われ、さらに運悪く通りがかった車の泥はねを受けてしまい、服が汚れてしまったとのこと。彼女はフロントで事情を説明し、予約名を告げたのですが、従業員は彼女の泥はねの跡や濡れた服を見て「本当に予約していますか?」と半笑いの様子だったそう。
そのやりとりを見て、奥から出てきた大将までもが「当店がどんなお店かご存じですか?」「高級店ですので、そのような身なりはちょっと…。今日はお帰りください」と彼女を厄介者扱いして追い出そうとしていたのです。
反省の色がない店側への通告
たまらず僕が間に入り、「彼女は僕の会社の後輩ですが」と告げると、大将や従業員の態度は一変。大将は血相を変えて平謝りし、すぐに最上席へ案内しようとしました。
しかし、僕が「予約名を伝えているのに、確認もせずに追い出そうとしたのか」と問い詰めると、大将は「いえ、しかしあのような身なりでしたので、まさか社長のお連れ様だとは思い及ばず…」と、あくまで「外見がふさわしくなかったから仕方ない」と言わんばかりの言い訳を口にしました。
困っている人間に対する最低限の配慮もなく、外見や肩書きだけで相手を選別するような店だと知り、僕は自分の見る目のなさに落ち込んでしまいました。僕は大将に対し「今回のような態度を、僕らだけでなく他のお客様にもするようであれば、今後の取引も考える」と伝え、店を後にしました。
再確認した仕事への誇りと、寿司店の末路
店を出た僕たちは予定を変更し、昔から付き合いのある大衆寿司店へ向かいました。大将は濡れた後輩を見るなり、すぐにタオルとおしぼりを出して温かく迎えてくれました。
カウンターで寿司を摘みながら、後輩は「社長が大切に目利きしたお魚を、あのような態度の店に預けることにならず、本当によかったです」とまっすぐな目で語ってくれました。僕は、自らの不運なアクシデントよりも会社のことを心配する彼女の姿勢に感銘を受けて……。ビジネスパートナーとしての信頼をより一層深めました。
その後、あの夜の高級寿司店は思わぬ形で没落の道を辿ったそう。大将の「客を外見で選別する」という態度は他の客に対してもおこなわれていたようで、口コミやSNSでの告発が相次ぎ、悪評が瞬く間に広がったとのことでした。最終的には店を畳むことになったようです。僕たちも、取引は終了しました。
後日、あの寿司店の従業員から「雇ってほしい」との連絡がありましたが、僕たちの「お客さんを大切に」という理念とは相容れないため、丁寧にお断りしました。今は後輩と共に各地の漁港へ足を運び、自分の目で確かめた最高の鮮魚を、誠実な店へと届ける日々を送っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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