ただの幼なじみのはずが…!?
僕は昔から、海外で働くことを目標にしていました。社会人になってからもその気持ちは変わらず、チャンスをつかむために仕事に打ち込む日々。
そんな僕の話を、いつも静かに聞いてくれていたのが、幼なじみのA子です。実家が隣同士で、社会人になってからも、通勤時間が合えば一緒に駅まで歩くこともありました。
実は僕は、幼いころから彼女に密かに好意を寄せていました。しかし、彼女の反応はいつもそっけなく、いわゆる”塩対応”で……。
学生時代に留学したときも、帰国後にお土産を渡せば「ありがと。じゃ」とひと言だけ。
彼女にとって僕は、ただの幼なじみ。それ以上でもそれ以下でもない――そう思っていたのですが……。
出発当日、空港に現れたのは…
ある日、上司から「サンフランシスコへ3年の赴任をお願いしたい」と言われました。
ついにきた――念願の海外勤務。胸が高鳴るのを抑えきれませんでした。
その夜、偶然駅でA子と会いました。
「アメリカ赴任、決まったんだ!」
僕がそう報告すると、彼女は俯いたまま「……そう」と小さく返すだけ。やはりいつもと同じ反応でした。

そして迎えた出発当日。
空港のロビーで手続きを終え、搭乗までの時間を過ごしていると、見慣れた姿が目に入りました――A子です。見送りに来てくれたのかと思いきや、彼女は小さく首を振ります。
そして、少しだけ迷ったようにしてから、こう言いました。
「私も、行く」
驚いて聞き返すと、彼女はパスポートと書類を見せながら説明してくれました。
以前から語学留学を考えていて、実はすでに短期の語学学校に申し込みを済ませていたこと。出発時期も調整して、僕の渡航日に合わせたこと。
無関心だと思っていた彼女が、そんな準備をしていたことに驚きを隠せませんでした。

まるで新婚生活!?
現地に到着したあと、僕は会社が手配してくれたアパートに住むことになっていました。
一方のA子は、語学学校の寮かホームステイを検討していたそうですが、すぐに入れる空きがなく、しばらくの間どうするか悩んでいたようです。
「短期間だけでも、一緒に住ませてもらえないかな」遠慮がちにそう言われ、僕は少し迷いました。
ただ、慣れない土地で彼女を一人にさせるのも気がかりで。結局、生活費やルールをきちんと決めたうえで、同じ部屋で暮らすことになりました。
こうやって始まった二人暮らし。彼女は相変わらず口数は少ないものの、朝食を用意してくれたり、買い物に付き合ってくれたり――まるで新婚生活のようでした。
そして、僕の中で密かに抱いていた彼女への「好き」という気持ちはどんどん大きくなっていったのです。
ただ、仕事は想像以上に忙しく、帰宅してもゆっくり話す時間はほとんどなくなっていきました。
そんな日々が続いたある日。家に帰ると、彼女の姿がありませんでした。
「負担になってる気がして、少し日本に帰ります」そう書かれたメモだけが机の上に残されていました。
ついに彼女に伝えた想い
彼女がいない部屋は、驚くほど静かでした。「おかえり」と言ってくれる人がいないだけで、こんなにも違うのかと気づかされました。
迷っている時間はありません。僕はすぐに休みを取り、日本へ戻ることに。
帰国後、久しぶりに会った彼女は、少し気まずそうに目を伏せていました。
そんな彼女に、今度こそちゃんと伝えました。
「一緒にいたい。ずっと前から好きでした」
すると彼女は少し驚いたあと、小さな声で「私も……」と答えてくれたのです。

その後、僕たちはアメリカへ戻ることに。再び、二人での生活が始まりました。
後から聞いた話では、彼女は僕が海外に行ってしまうことに不安を感じ、思い切って語学留学を決めたのだそうです。本当は現地で気持ちを伝えるつもりだったものの、勇気が出ず、そのまま時間だけが過ぎてしまったとのことでした。
言葉にしなくても伝わることはある。でも、大切なことほど言葉にしなければ伝わらない――あのときの出来事を通して、そんな当たり前のことを、僕はようやく実感したのでした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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