休憩中の「お絵描き」を全否定する上司
ある日の昼休み、僕は自席でイラストボードを広げ、依頼されたイラストの仕上げに取り組んでいました。
その日は納品締め切りが翌日に迫っており、昼休みも惜しんで仕上げに取り組んでいました。
依頼内容は新規事業の展示会用メインアートワーク。アナログならではの筆致を活かした、手描きの本原稿です。
すると、背後から荒々しい足音が聞こえ、上司が僕のデスクを叩きました。
「おい! 職場で何お遊びをしてるんだ! 仕事中に不謹慎だろう!」
僕は驚きながらも冷静に答えました。
「いえ、今は休憩時間ですし、私物の道具を使っています」
しかし、上司は聞く耳を持ちません。
「プログラマーなら休憩中もソースコードを読んでいろ!」と怒鳴り散らし、あろうことか僕が丹精込めて描いていた手描きの本原稿を、勢いよく「ビリッ」と破り捨てたのです。
「こんなゴミ、職場に持ち込むな! 次やったらタダじゃおかないからな!」
上司は僕が絶句しているのを「反省した」と勘違いしたのか、嘲笑ってきました。
突然現れた「女社長」の驚愕の一言
呆然としている僕のところに、そこへ女社長が颯爽と現れました。社長は僕の絵師としての正体を知っており、進捗を楽しみにしてくれていたのです。
「あら、お疲れ様。例の、300万で依頼したイラスト、もう出来たかしら?」
笑顔で近づいてきた社長でしたが、床に散らばったイラストの無残な姿を見て、一瞬で表情が凍りつきました。
「……これは、どういうこと?」
上司は社長が僕に話しかけたことに動揺しながらも、必死に言い訳を始めました。
「社長、こいつが仕事中に落書きをしていたので、私が厳しく教育しておきました! 社長に失礼がないよう、ゴミを処分したんです!」
300万円の損害と上司の末路
社長は冷徹な声で、上司に言い放ちました。
「ゴミ? あなた、これがどれほど重要なものか分かって言っているの?」
社長は震える手で破片を拾い上げ、上司を睨みつけました。
「彼が描いていたのは、私が正式な契約を結んで、300万円の予算で依頼した我が社の社運をかけたプロジェクトの展示会用メインアートワークよ。それを勝手に破棄するなんて……あなた、会社にどれだけの損害を与えたか理解できているのかしら?」
上司は「え……? 300万……? 正式な契約……?」と顔を引きつらせ、その場にへたり込みました。僕がただの「趣味でお絵描きをしている部下」ではなく、社長が心から信頼して仕事を任せていた「プロのパートナー」だったことを知り、絶望したようです。
その後、上司はプロジェクトへの妨害行為と、クリエイティブに対する著しい理解不足を理由に、責任を厳しく追及されることになりました。僕は締め切りを延長してもらい、改めて新たな原稿を描き下ろして納品。
今では社長直属のクリエイティブ・アドバイザーとしても重用され、ストレスフリーな環境でプログラミングとイラスト、両方の才能を発揮しています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。