それでも私が断りきれないのは、妹がいつも姪っ子を引き合いに出してくるから。「学費がかかる」「習い事を始めたい」と言われると、つい財布のひもがゆるんでしまうのでした。
ある日、姪っ子の誕生日が近かったので、本人が欲しがっているというゲーム機をプレゼントしました。
ところが後日、姪っ子に会ったときに「あげたゲーム、遊んでくれてる?」と聞くと、きょとんとした顔で「ゲーム? もらってないよ」と言うのです。
妹を問い詰めると、「ちょっと現金が必要で……」と口ごもりました。どうやら売ってお金に換えてしまったようで……。
手術費用が足りないという妹
妹は「娘のため」と言いながら、私のお金を姪っ子のために使っていないのかもしれない――このままではいけないと目が覚めました。
私は妹に、これ以上お金は貸さないこと、姪っ子へのプレゼントもやめることをはっきり伝えました。すると妹も反省したのか、その後しばらくの間、お金を要求するような連絡は途絶えていました。
しかし、ある日突然、妹が泣きながら電話をかけてきたのです。
「あのね、実は少し前に娘の病気がわかったの。今、娘は入院していて、大きな手術が必要なの。でもお金が足りなくて……お願い、お姉ちゃん助けて」
正直、最初は心配になりました。でも、すぐには信じられませんでした。
「本当なの? 病院はどこ?」
そう聞き返すと、妹は「え? 病院? えっと……その……」と、言葉に詰まりました。その妹の反応は、姪っ子を心配して気が動転しているというよりは、私の質問に答えられず動揺している――そんな様子。もしかして嘘? そう感じた私は、さらに質問を続けました。
「A太さん(妹の夫)はなんて言っているの? お金のこと、A太さんには相談したの?」
すると、妹は声を荒らげました。
「姪っ子が病気なんだよ?」
「病気の子を見捨てるの? 人としてどうなの? あり得ない!」
A太さんから聞いた真実
実は、妹からの電話の少し前に、A太さんから連絡をもらっていたのです。「最近、妻の様子がおかしいんです。お姉さんに何か迷惑をかけていませんか?」と。
A太さんは妹のお金の使い方や外出の多さに不信感を抱き、家計を確認したところ、使途不明の出費が膨らんでいることに気づいたそう……。
私は、妹と電話をしながら、A太さんにメッセージで確認しました。妹と通話中であることを伝え、姪っ子は病気なのかと尋ねると、すぐに返信が来たのです。A太さんは、姪っ子に病気の事実はなく、入院もしていないし、病院にも通っていないと教えてくれました。つまり、すべて妹の作り話だったのです。
電話口で泣き続ける妹に、私は静かに伝えました。
「今、A太さんとメッセージしてるの。全部聞いたよ」
「嘘なんでしょ? 自分でなんとかして」
「え……」
すると妹は、黙り込み、一方的に電話を切りました。
その後、A太さんと妹は話し合うことになりました。その結果、妹がお金を必要としていた本当の理由が明らかになったのです。A太さんに詰め寄られ、妹は姪っ子の習い事の先生である若い男性と不倫関係にあると白状したのだとか。
妹は、不倫相手にプレゼントを贈ったり食事に行ったりするうちに歯止めがきかなくなり、A太さんにバレないよう家計のお金に手をつけ、それでも足りず、姪っ子をダシに私からお金を得ていたのです。
この事実に、A太さんはひどく傷ついていました。これまで妹や姪っ子のために、仕事と家庭を両立しようと努力してきたA太さんにとって、妹の裏切りは到底許せるものではないでしょう。
嘘をつき、不倫していた妹の末路
妹は「ただの遊びだった」「家庭は壊したくない」と訴えましたが、A太さんの気持ちが戻ることはありませんでした。私も「貸したお金は返してほしい。これ以上は支援しない」と改めて妹に伝えました。
すると妹は私に、「離婚したらどうやって生きていけばいいの? お姉ちゃんの家に置いてよ」と言い出しました。「今さら働くのは無理だし、彼(不倫相手)とは今回のことで終わっちゃうと思うし、再婚相手を探すまで居候させて」と……。あまりの言い分に、私はあきれ果ててしまいました。
「私の家には住まわせられないよ。自分の生活は自分で立て直して」
そう伝えると、妹は「私の頼れる人はお姉ちゃんしかいないのに」と言い、泣いたふりを始める始末……。
その後、妹夫婦は離婚。姪っ子はA太さんが引き取り、妹は家を出てアパートを借り、パートを始めました。今は、A太さんに対する慰謝料、姪っ子の養育費、そして私への借金を、少しずつ返している最中です。
一方、A太さんと姪っ子は、少しずつ新しい生活に慣れていっているようです。ときどきA太さんのご両親が様子を見に来てくれるそうです。どうしても都合がつかないときは、私が姪っ子の送迎を代わったり、数時間預かったりしています。今も私は、A太さんや姪っ子と良い関係を続けています。
◇ ◇ ◇
困ったときに家族を頼ること自体は、悪いことではありません。けれど、嘘をついてまでお金を引き出したり、相手の善意に甘え続けたりすれば、いずれ関係は壊れてしまうでしょう。家族であっても、それぞれに生活があり、心があり、限界があります。「家族なら許してくれる」という思い込みが、一番大切な人を遠ざけてしまうこともあるのではないでしょうか。たとえ家族であっても、無理な要求には、やさしさだけで応じるのではなく、相手のためにも線を引くべきところは引いていきたいですね。
【取材時期:2026年4月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※一部にAI生成画像を使用しています