義母の手土産「高級メロン」を夕食後に出すと…
子どもが5歳のころのことです。義母が遊びに来たときに「今日はいい物を持ってきたのよ」と、高級なメロンを2玉持ってきてくれました。見た目からして立派で、値段もかなりするのだろうなと思うようなものでした。私はありがたくお礼を伝え、夕食後にみんなで食べようということになりました。
夕食を終えて、私はメロンを切り分け、家族みんなの分を食卓に並べました。娘も果物が大好きなので、楽しみにしている様子が伝わってきます。家族みんなで「いただきます」と言おうとした、そのときでした。
義母が娘のお皿を見て、少し戸惑ったような顔で「え! こんなに出すの?? もったいないわよ」と言いました。さらに「子どもにはまだ味の違いがわからないでしょう?」と続けたのです。
正直に言うと、義母の言いたいことも、わからなくはありませんでした。義母にとっては、せっかく選んで持ってきた立派なメロンを、味や価値のわかる大人にしっかり堪能してほしいという気持ちがあったのだと思います。
ただ、5歳の娘にとっても、家族みんなで食卓を囲む時間は特別なものです。しかも娘はメロンが大好きで、私が切って持ってくるのを心待ちにしていました。お皿に手を伸ばしかけたまま、戸惑った顔で私を見上げる娘を見て、ここで娘の分だけ減らすのは違うかな、と思いました。「味がわかるかどうか」よりも、「みんなで同じものを食べる」ということ自体に意味があるように感じたのです。
少し考えて、「せっかくなのでみんなでおいしくいただいてもいいですか? お義母さんが選んでくださったメロン、娘にもたくさん食べさせてあげたくて」と返しました。
義母は「そう……」と少し残念そうな顔をしていましたが、それ以上は何も言いません。食卓の空気は少し気まずくなってしまい、しばらくはぎこちない会話が続きました。
後日、夫にそのときのことを軽く話してみると、「母さんは昔から食べ物を大切にする人だからね。悪気はないと思うよ」と返されました。義母には義母なりのこだわりがあるのだろうな、と思うと、少し肩の力が抜けたのを覚えています。
それ以来、義母が高級な食材を持ってきてくれたときには、お皿に出す前に「お義母さん、せっかくなので娘にも少し味わわせてあげていいですか?」と先に一言聞くようにしています。先に確認すると、義母も「そうね、せっかくだものね」と笑顔で答えてくれることが多く、お互いに気まずい思いをせずに済むようになりました。
考えてみれば、義母も私も、それぞれの形で「大事にしたいもの」があっただけなのかもしれません。義母は食材そのものを、私は家族で食卓を囲む時間を。どちらが正しいということではなくて、お互いの大切にしているものを少しずつ尊重し合えれば、それでいいのだと、今では思えるようになりました。
著者:山崎恵美/30代女性/小学生の娘の母。お笑い番組を見ることが息抜き
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)
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