現場監督から告げられた突然のクビ
当店のお弁当は「おいしくてボリューム満点」と評判でしたが、最近就任した現場監督のAさんだけは、なぜか私を目の敵にしていました。
ある日のこと。現場に弁当を届けた私に対し、Aさんは「お前のとこの弁当はもう要らん。来週から別のところに頼むから二度と来るな」と言い放ちました。
あまりの急展開に驚く私。「どうしてですか?」と尋ねても、Aさんは「社長の指示だ」と冷たくあしらうだけでした。(私の弁当の何が悪かったのだろう……)私は社長からの指示と思い込み、深いショックを受けながらも、その言葉に従うしかありませんでした。
社長からの怒りの電話で発覚した真実
そして翌週の月曜日。私の携帯に突然、取引先の社長から怒りの電話がかかってきました。「ちょっと! 現場にお弁当が届いてないんだけど、どういうこと!?」
驚いた私は、必死に釈明します。「先週、現場監督のAさんから『来週から二度と来るな。社長の指示だ』と言われて……」すると電話口の社長は一転、困惑した声に変わりました。
「嘘でしょ!? 私、そんな指示は一切出してないわよ!」なんと、クビ宣告はAさんの真っ赤な嘘だったのです。
私を追い出した現場監督が大慌て…!
「実は……材料はすでに仕入れていたので、いつもより多めにお弁当を作ってあるんです。店頭販売にする予定でしたが、今からでも届けられます!」私の言葉に、社長は「お願い!」と即答しました。
あとから聞いた話ですが、一方そのころ、現場のAさんは焦っていたようです。私を追い出す代わりに弟の店を手配したはずが、肝心のお弁当が一向に届きません。Aさんがこっそり弟に電話をすると、弟から返ってきたのは「そんなに急な話!? 来月からだと思っていたから、まだ作ってないよ」という衝撃の返答。
Aさんは、社長に相談せず独断で業者を変えようとしていたため、正式な手続きも済ませていなかったようです。もしかすると、Aさんは自分の弟が経営する飲食店に弁当を作らせ、自分も利益を得ようと企んでいたのかもしれません。
嘘の指示を出した現場監督の末路
その後、社長は、独断で嘘のキャンセル指示を出したAさんに厳しく事情を聞いたようです。私情を挟んで現場を混乱させたAさんは、当然ながら降格処分となりました。
社長は私に深く謝罪し、「あなたの誠実な対応とおいしいお弁当に救われたわ」と言って、今後の長期契約を約束してくれました。真面目にコツコツ頑張ってきた姿勢が認められてよかったと思いますし、少しスカッとしたのも事実です。
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私情や身勝手な思惑で仕事のルールを乱せば、多くの人に迷惑をかけることになります。一方で、日ごろから誠実に仕事へ向き合っていれば、いざというときに信頼が支えになることも。どんな立場であっても、周囲への敬意と責任感を忘れずにいたいですね。
【取材時期:2026年5月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。