家族的雰囲気消える新年会…どこか違和感も
私は40代で、2人の娘を育てています。夫の会社の新年会は、毎年お得意さまのホテルでおこなわれる恒例行事でした。会費はすべて会社が負担し、社員だけでなくその家族も招待されるにぎやかな集まり。どこか家庭的で温かい空気に包まれていました。
会場には、豪華な料理が並び、子どもも大人も楽しめるよう工夫が凝らされます。ビンゴ大会などの催しもあり、わが家の娘たちも、新年会をとても楽しみにしていました。普段はなかなか会えない社員の子どもたちとも交流でき、みんな仲良く会場で遊び回る姿はほほ笑ましくもありました。
しかし、そんな家庭的で温かい新年会も、会社の成長に伴い規模が拡大し、様相が変わっていきます。参加者の人数も多くなり、以前は顔と名前が一致していた人たちばかりでしたが、いつの間にか「初めまして」も増えていきました。にぎやかで活気がある会になることは喜ばしいのですが、その一方で、私はどこか落ち着かない気持ちを覚えるようになっていったのです。
気になる2つの儀式…夫の振る舞いも尊大に
新年会の規模と比例するかのように、夫の振る舞いも“大きく”なっていきます。特に気になったのは、新年会でおこなわれる2つの“儀式”でした。
1つは、「一年間お疲れさまでした」という意味を込め、社員全員が頭を下げながら、社長である夫に大きな贈り物を渡す場面。その光景はどこか重々しく、これまで一緒に会社を支えた仲間同士の関係が、急に上下の距離があるものに変わったように感じられます。妻である私には、感謝される夫の姿が誇らしいというよりも、どこか申し訳ないような気持ちでいっぱいでした。
そしてもう1つは、お酒の儀式。取引先客に社員がお酌をして回り、その流れで誰かがつかまると、その場でお酒を強引に飲まされます。中にはお酒が苦手な社員もおり、その後具合を悪くしてしまうこともありました。
私が介抱したこともあり、「無理に飲ませるのはやめてほしい」と何度か夫に頼みましたが、夫は「いいじゃないか、お酒くらい」と聞く耳を持ちません。私の中のモヤっとした違和感は、次第に膨らんでいったのです。
娘のひと言に驚く夫…新年会場は一瞬凍りつく
その年の新年会でも、やはりお酒を無理に勧められる光景が繰り広げられました。周囲にはやし立てられながら、社員が必死でお酒を飲み干す姿を見て、私は胸の奥がざわつくばかり。
「まただ……」と思いつつも、場の空気を壊したくない気持ちから、何もできません。後で夫にしっかりお願いしようと考え、やり過ごそうとした、そのときでした。隣の長女がすっと立ち上がり、真っすぐ夫を見て大きな声で言ったのです。
「パパ、これはアルハラだよ! 無理やりお酒を飲ませてはいけないんだよ!」。その瞬間、ざわついていた会場がウソのように静まり返りました。空気が一変し、誰もが言葉を失います。
夫は一瞬驚き、少し憤慨したような表情を見せたものの、「いやぁ、娘も大きくなってね、こんなことが言えるようになったんですよ」と苦笑いしながら場をつくろいました。会場は笑いの渦に包まれましたが、それ以降、誰もお酒を強要しようとはしません。社員もどこかホッとした様子。娘のひと言が、場の流れをたしかに変えた瞬間でした。
まとめ
新年会のような場では、「これまでずっとやってきたから」という理由で続いている慣習も少なくありません。けれど、飲酒を無理に勧めるのは、相手の意思や体質を顧みない行為で、大きな負担を与えることがあります。娘の素直な指摘は、本来は楽しいはずの場だからこそ、一人ひとりが安心して過ごせる配慮が必要だ、ということを教えてくれました。
「おかしい」と感じたことを、相手を思いやりながら、きちんと伝えることが大切だということに気付かされました。あの日の出来事は、私にとっても、そして夫にとっても、その後の在り方を見つめ直す大切なきっかけになったと感じています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:石川 ふみか/40代・会社員。4歳年上の元夫と結婚20年目に離婚。2008年生まれの女の子と2011年生まれの女の子の子育て中。子育てに追われつつも、コンビニの新商品チェックだけは欠かさない自称・コンビニマニア。
イラスト:マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)
関連記事:「酒とたばこをやめれば?」奨学金を借りるシングルマザーの私に、娘が突きつけた現実的な試算
関連記事:小学1年生だった娘の相手をいいかげんにした夫…13年後、娘から放たれた手痛い評価とは【体験談】
ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!