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小学1年生だった娘の相手をいいかげんにした夫…13年後、娘から放たれた手痛い評価とは【体験談】

子どもたちが小さいころから、決して “子育てに積極的” とは言い難かった夫。そのくせ、成長した子どもたちに子育ての苦労話を恩着せがましく披露しては、辟易(へきえき)させています。ある日、近所で自転車の練習をする親子を見て「俺も自転車に乗れるようにしてやったなぁ」と懐かしむ夫に対し、不信感を募らせた娘はその場でバッサリと切り捨てました。子どもの相手をいいかげんにしてきた夫に、13年後になって放たれた娘の本音とは?

 

小学生だった娘の自転車練習

夫は昔からひとりで子どもの相手をするのが苦手です。母親に頼らず、父と子の関係をしっかり築いてほしいと願っていた私は、休日に父子だけで公園に遊びに行くよう家を追い出しましたが、30分で帰ってきてしまうこともしばしば。いつしか子どもたちも、すぐに帰りたがる父親と遊びに行くのを拒むようになりました。

 

13年前、娘が小学1年生のときのことです。買ってもらったばかりの自転車を練習しようと、夫と家の前の車通りの少ない路地で練習を始めました。ところが、このときも30分で水分補給のためにひとりで家に戻ってきた夫。またすぐに出ていくのかと思いきや、ソファでくつろぎ始めました。

 

「まだうまく乗れない娘をひとりにするのは危ないでしょう?」ととがめると、近所に住む娘の同級生Sちゃんもパパと自転車の練習をしているそうで、娘ももうじき乗れそうだから大丈夫と言うのです。私は心配になって、すぐ外に出てみました。

 

子どもの面倒をよく見る近所のパパ

路地に出ると、よろよろしながらもひとりで自転車を漕ぐ娘の姿が見えました。そばにはSちゃん父子もいて、Sちゃんのパパは娘にも声を掛けてくれています。私がSちゃんのパパにあいさつすると、「もう乗れるようになりましたよ」と笑顔で教えてくれました。娘もうれしそうに「Sちゃんパパー、見てー!」と叫びながら、路地を行ったり来たりしています。これが夫だったら……と、私は残念な気持ちになりました。

 

その晩の夕食では、娘が「自転車に乗れるようになった!」と得意気でした。どんなふうに乗れるようになったのかを饒舌(じょうぜつ)に話す娘に、「お父さんの言う通りにしたらできただろう?」と夫が口を挟むと、「ううん、違う。お父さんが帰っちゃってから、Sちゃんパパが教えてくれて、その通りやったらすぐに乗れるようになったんだよ」と娘。

 

それを聞いた夫は、みるみる顔色が変わり「そんなにSちゃんのパパがいいなら、Sちゃん家の子になればいいだろうっ!」と怒鳴ったのです。にぎやかだった食卓は一瞬で静まり返りました。

 

私は慌てて「でも、あなたが家に戻ってしまった後、Sちゃんパパが相手をしてくれて乗れるようになったのだから、Sちゃんパパには感謝だよね」とたしなめ、娘には「乗れるようになってよかったね」と言いました。それ以降、娘が自転車に乗れるようになった話は、家では触れてはいけない話題となりました。

 

 

13年後に明らかになる父親としての評価

あれから13年が過ぎ、最近近くに引っ越してきた親子が、先日家の前の路地で自転車の練習をしていました。子どもを励ます若いパパの声を聞いて私が窓から外を見ていると、夫が「やってる、やってる。俺も娘に自転車に乗れるようにしてやったなぁ」としみじみ語り始めたのです。

 

私は「えっ?」と心の中で叫び、眉をひそめました。すると、19歳になった娘が後ろで聞いていて、口を挟んできました。「私が自転車に乗れるようになったのはお父さんのおかげじゃない」と……。

 

自分を過大評価する傾向のある夫は、13年前の事実を自分に都合よく塗り替えて、美しい思い出に変えていたようでしたが、娘の冷ややかなひと言で一気にあの日に引き戻されたようです。父親に信頼感が持てず、最近は父と口をきかなくなった娘が思わず放った言葉に、夫はバツが悪くなったようにそそくさとその場を立ち去ったのでした。

 

どんなに夫が自分の思い出を変えても、娘の記憶の中には、肝心なところで面倒がって自分を置き去りにし、友だちのパパに任せた格好悪い父親の姿が刻み込まれているのでした。

 

まとめ

Sちゃんの両親は共働きですが、その後、妹と弟が生まれて4人きょうだいになりました。一番上と下の子は10歳以上年が離れていますが、Sちゃんパパは相変わらず休日になると子どもたちの相手をひとりでしています。Sちゃん家では当たり前でも、わが家では結局かなわなかった父子関係。父と口をきかなくなった娘と、父親として残念すぎる夫を見ながら、あのとき私はほかにどう立ち回ることができただろう? と、ため息をつくしかない今日このごろです。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

 

著者:あらた繭子/50代女性。1999年生まれの息子と2005年生まれの娘をもつフリーライター。長年にわたる無茶な仕事ぶりがたたり、満身創痍の身体にムチを打つ毎日。目下の癒やしは休日のガーデニングと深夜のKPOP動画視聴。

イラスト/エェコ

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年10月)

 

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      筆者さんの旦那さん、うちの父そっくり!
      どうやっても直らなかったと思いますよ(笑)

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