突然の腹痛と受診
旅の途中でおなかに強い痛みを感じ、病院を受診することになりました。
診察の結果、急性虫垂炎(きゅうせいちゅうすいえん/いわゆる盲腸。腸の一部である虫垂に炎症が起こる病気)の可能性があると言われました。まずは炎症や痛みを抑えるために抗生剤と痛み止めが処方され、薬を飲むと痛みはいったん落ち着き、ひと安心しました。
手術を迫られて
しかしその後、医師からは「急性虫垂炎であれば、状態によっては手術が必要になることがあります。旅先ということもあり、悪化した場合のリスクを考えると、早めに手術を考えたほうがよい」と説明を受けました。
急に手術という話になり、気持ちが追いつかないまま、どうするべきか考え込んでしまいました。旅先が島だったこともあり、このままここで手術を受けていいのかという迷いが強くなり、自宅に戻るという選択をしました。
帰宅後の思いがけない言葉
帰宅後すぐに自宅近くの病院を受診すると、その時点では痛みも落ち着いており、検査でも急性虫垂炎を強く疑う所見ははっきりしないと言われました。そして、「現時点では手術の必要はありません」と説明されました。
旅先では手術を勧められたのに、帰宅後には手術不要と言われたことで、驚きと戸惑いを感じました。結局、あの痛みの原因はわからないままです。
まとめ
今回の経験を通じて、急な腹痛の判断の難しさを痛感しました。特に旅先では、医療環境や帰宅までの安全性も含めて判断されることがあり、同じような症状でも、受診するタイミングやその時点の状態によって説明が変わることがあるのだと感じました。
痛みが落ち着いたとしても、強い腹痛があった場合は自己判断で済ませず、経過を含めて医師に伝えることが大切だと思いました。
医師による解説:虫垂炎で「手術」と「薬」の判断が分かれる理由
急な腹痛で虫垂炎が疑われた場合、医師から「手術が必要」と説明されることもあれば、「薬で様子を見ましょう」と言われることもあります。これは、医師の判断が単に食い違っているというより、診察を受けた時点の症状、検査結果、炎症の程度、医療機関の体制などによって、治療方針が変わることがあるためです。
虫垂炎の診断は、時間の経過で見え方が変わる
虫垂炎の初期症状は、胃腸炎などと区別がつきにくいことがあります。また、時間の経過とともに痛みの場所や強さが変わることもあります。さらに、抗生剤や痛み止めを使用した後に再度診察を受けると、痛みや発熱、採血での炎症反応が一時的に軽くなり、診察時点では虫垂炎らしい所見がはっきりしないこともあります。そのため、旅先での診断と、帰宅後の診断が異なるように見える場合があります。
抗生剤を出されたからといって、手術が不要とは限らない
虫垂炎が疑われる場合、手術をするかどうかにかかわらず、まず炎症の悪化を抑える目的で抗生剤が使われることがあります。そのため、抗生剤を処方された後に、炎症の程度や悪化した場合のリスクを踏まえて手術を勧められることもあります。
現在は、軽症の虫垂炎であれば抗生剤で改善することもあります。一方で、炎症が強い場合、虫垂に糞石(ふんせき/便の成分などが石のように硬く固まったもの)がある場合、穿孔(せんこう/炎症がひどくなり、臓器の壁に穴が空いてしまうこと)や膿瘍、腹膜炎(ふくまくえん/内臓を包んでいる腹膜という膜に炎症が広がった状態)が疑われる場合などは、手術が検討されます。
旅先では、悪化時の対応も含めて判断される
旅先や離島など、悪化したときにすぐ専門的な治療を受けにくい環境では、安全性を重視して早めの手術を勧められることがあります。虫垂炎は軽症であれば薬で改善することもありますが、悪化すると穿孔や腹膜炎につながることがあるためです。
その一方で、帰宅後に症状が落ち着き、検査でも虫垂炎を強く疑う所見がはっきりしない場合には、その時点では手術不要と判断されることもあります。どちらか一方が必ず間違いというより、診察した時点の状態や医療環境を踏まえて、判断が変わることがあります。
痛みが引いた後も経過観察が必要な理由
強い腹痛があった後に症状が落ち着いても、一度虫垂炎が疑われた場合には、その後の経過に注意が必要です。虫垂炎が再燃することもありますし、他の消化器疾患や婦人科疾患などが隠れている可能性も否定できません。
もし再び違和感や痛みが出た場合は、前回の経緯、例えば旅先で虫垂炎を疑われ手術を勧められたこと、抗生剤や痛み止めを使用したことなどを伝え、消化器外科や救急対応が可能な医療機関に相談することをおすすめします。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修:渡海義隆先生(半蔵門 渡海消化器・内視鏡クリニック 院長)
著者:山谷多仁子/30代女性・会社員
イラスト:はせがわじゅん
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)
関連記事:「救急車呼ぶ?」あまりの痛みにトイレで気を失う寸前に息子が発見!緊急入院に至った病気とは
関連記事:祖母「腹痛くらいで救急車を呼ぶのは申し訳ない」苦しむ祖父を前に動かぬ態度。その結果
ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!